このブログは

雑誌編集者を目指して、上京。
トラの穴で編集プロダクション生活をスタートさせたばかりの「のんちゃん」(23歳女子)に贈る
編プロ・トラの穴的 おこごと、仕事のコツ、ラクの仕方と、社会人的たしなみと。

順不同でまいります。
つまみ読み、どうぞ。

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スタンディングワーク、いいじゃないか!

2015年6月30日 (火)

5月のことだ。品川シーズンテラスへ開業以前に取材で伺ったとき

スタンディングオフィスワークのレイアウト提案があり、心惹かれた。

(今さら、ですかね。まあ、いい)

 

スタンディングワークスタイルは、座りっぱなしよりも健康にいいらしく

欧米ではずいぶん浸透しているという。

 

やったはいいけれど「やっぱり性にあわなかった」、なんてことを考えると

専用のデスクを買うのもためらわれるし、それなりに高価だし、

あまり広くないのも気になる……。

サイトでいろいろ調べてみると、小さなテーブルをのせるだけでも

簡易なものができるというじゃないか。まねしてみよう!

 

カギは肘の角度と、PCの画面の角度らしい。

肘はほぼ90度がもっとも負担が少なくて

PCは…たしか20度見下げるくらいだそうだ。

ここにフラストレーションがあると、移行のハードルが上がってしまう。

 

「やってみようかなー」と思いつくとすぐできるのは

小さな会社ならではだ。

うちから小さいテーブルとブロックを運んできて、デスクの上に置いたら、

高さバッチリのスタンディングデスクが完成した。

愉快なスタンディングデスク、プライス0円。

なかなかいい。

 

【メリット】

○首がラクになった(そもそものきっかけはこれ。衝撃の故障…詳細はまた今度)。

○集中しやすい(食後も、夕方の逢魔が時も眠くなりにくい)

○動きやすい(ピンポーン、「はーい」がやりやすい。「よっこらしょ」が消滅した)

○机の面積が広くなった(二段ベッド的に)。

○呑気性が改善した(想定外。夕方の腹部膨満感が圧倒的になくなった)

それもあって腹痛が減った。

○腹筋が少しついてきた。この分でウエスト絞るぞー。できる気がする。

○間食も減った。少食になった(「立って食べるのはお行儀悪い」というのが染みついて、食欲が減る。

間食以外も一回の食事量はやや少なくなってる)

○脚が疲れる(今まで上半身だけで動いていたので、「全身で働いてます」感が実にいい! )

○痩せた(1週間で1キロちょっと)

○座るよりも脚のむくみがマシ(むくむにはむくむ)

○なぜか普段が早歩きになるし、うちに帰ってからストレッチとかしちゃう。足が軽い!

○なんとなく前向きだ(アルマジロ姿勢にならないからかな)。姿勢の改善。

○家でも動きやすい(座って根っこが生えにくいというか)。

○夜、横になって5秒で眠れる。適度な疲労感。

 

【デメリット】

○立ち仕事に慣れていない人はかなりつらいかもしれない。

WEBでも「スタンディングワークはぜんぜん快適じゃなかった」人の体験談もあった。

はじめから無理は禁物と思ったものの、

 性格上、途中で座ると移行できないんじゃないかと思い、私はいきなり通しでトライした。

初日から12時間とか14時間立ってるけど、できちゃったなぁ。

○最初は脚と腰がものすごく痛かった! 

しかしおかげでほかの愁訴が全部飛んでしまう(これは素晴らしいと思った)。

 日数が進むにつれ、痛みからただの疲労に変わる感じ。

 若い頃、初めて書店で立ち仕事を経験したときは、足の裏やふくらはぎに

インドメタシン塗りたくってこなしていたけど、もはやそれほどでもない。

○座りつづけられなくなった。

 こんなにすぐ退化するものなのか?

ものの2時間イスに座っているだけで、お尻がつらい! 

○うちでは座ってやるので、その違いが少し微妙。 

○周囲に驚かれる(これは3日で慣れてもらえる)

 

 

そもそもパターンを変えることに興味があるので、こういうことになっているのだが

まるで引越ししたみたいな気分転換だ。

目線の高さを変えるだけで、こうまでいろいろ変わるとは驚き。

 

大きな職場で働いている方は難しいでしょうけど

個人の方、小さな職場の方、いかがですか。なかなか楽しいですよ。


手作り感満載…。
校正も電話番号確認も構成案づくりも
ここでやっちゃうのさ。
Img_1176_2

 

携帯するもの

2014年3月19日 (水)

マシンが変わるだけで微妙な使い勝手が変わるのが苦手で、
PCはもっぱらノートタイプです。
おかげでフラストレーションがありません。
画面の小ささもなんのその!

移動と酷使のせいか何台もオシャカにしたので、
持ち歩きの耐久性で選んでいます。
国内外問わず、ほぼ肌身離さず持ち歩いていますが、
たいへんよく耐えてくれています。

今日は30分ほど電車に乗るし、座れたし、適度にうるさいし
(静かな車中では、キーボード音が騒音になるらしいので謹みます)
PCひろげて原稿書いていたら寝落ちしました……ぐっすり。

ところが、突然会話が鳴りだしたものだからびっくり。
指がどこかにさわったみたいで
デスクトップのインタビュー音源がPCのスピーカーから取材音声が再生されはじめ……。


恥ずかしかったわん。キーボード騒音どころじゃないですやん。


*  *  *  *  *  *  *  *  *  *
これだけで終わってもなんですから、携帯お道具考を少し。

編集者的に私が日々持ち歩くものは、レコーダーとカメラです。
最近はスマホがほとんどの機能を備えているので、
これさえあればフォローできて便利です。
今やWi-fiも持たずに、スマホでデザリングしちゃえばいいし
スケジュール管理もスマホがあれば手帳不要(いまだに私は手書き手帳派ですけど、使い分けます)。

でも、レコーダーだけは別に持っちゃうなぁ。
形が手持ちの使用時の取材に適しているのと、カバンに入れておいても軽いのと、
PCとの連動がよくて使いやすいのです。
取材に限らず、資料としてヒョッと録音することも少なくありません。


それにしてもあなたも私も、便利でいい時代を生きていますよねぇ。
労力が減った分、楽しいことをたくさんしましょうか!

インタビューの段取り インタビュー原稿の書き方

2013年6月26日 (水)

インタビューを初めてさせていただいたのって、25才のことでした。
お相手は、ピアニストのザイラー・エルーストさん。媒体はぴあのムックの『まんぷく図鑑』でした。
初めてのインタビュー前日、緊張していたのを覚えています。
東京事務所の先輩編集者に電話して(当時は関西在住だったので)
「すみません、明日初めてのインタビューなんですが、インタビューって、最初から最後まで先に構成考えて、質問してお話しして、その会話の順番で文章仕上げていくんですよね?」と質問し、大笑いされたのが昨日のことのようです。
……かわいい。

「ちがう、ちがう。話を全部伺ったあとで、それから文章の構成を考えるんだよ。構成を考えるのは、ものすごく大事なインタビューの仕事だからね」

……ものすごく気が楽になりました。
ほら、よくインタビューの原稿のクレジットって、「構成・文」で入っているでしょ?
その人の言葉を切って貼ってつなぎ合わせて、よりその人の言いたいことがわかりやすく伝わるようにしたのが、インタビュー原稿です。
ですから全体の構成力がものをいいます。

以下、著名人インタビューの手順と、原稿の仕上げ方の段取りです(アポイントメントを入れたあとから)。
アポイントメント時点で、取材費(謝礼)の話は終わっていると仮定します。

◎取材相手への取材費(謝礼)、必要経費は? 【編集者が担当】
取材費は、媒体によって千差万別です。通常は結構な取材費が必要な方でも、お相手の映画や作品の告知などのパブリシティと関わる場合は、取材謝礼は無料という場合は少なくありません。
お相手の前後の仕事の様子にもよりますが、撮影が発生する場合は、ヘアメイク・スタイリング料がこちらでもつ必要があることも(あくまでケースバイケース)。
また撮影場所(&お話を聞く場所)を確保するのに、お金がかかる場合も多いです。

◎撮影の有無  【編集者】
 撮影の有無は極めて大事。宣材写真で代用するのか、撮り下ろしでいくのか。
 撮り下ろしなら、撮影はいつするか(話の前か、あとか)、場所はどうするか。
 メイクやスタイリングが発生するなら、その場所はどこで? など。

◎どこでお話を伺う? 撮影場所は? 【編集者】
たとえインタビューだけで撮影がないとしても、著名人の場合は「喫茶店で」と、軽く考えてはいけません。個室が確保できるようにします。
撮影は場所の確保を。「撮影場所は屋外でいいや」なんて甘く考えてはいけません。パブリックスペースは撮影許可などの申請が必要な場合がほとんど。あらかじめ、撮影許可の申請を忘れずに。使用料が必要なこともあります。
撮影の場合は、先にフォトグラファーと打ち合わせして、構図を決めておくこと。
複数ページなら、どのページにはどんな写真を入れるか、写真の構成案を考えておく。

◎当日が近くなったら、スケジュールを組んでおく  【編集者】
お相手の当日のスケジュールに合わせて、スタッフ入り時間・先方の入り時間・支度の時間・撮影時間(撮影用意時間&本番)・お話を伺う時間など、タイムスケジュールをつくっておく。
ヘアメイクが必要な方なら、仕上がり後できるだけ早めに撮影をして(メイクとスタイリングがきれいなうちに)、あとは楽な状態で(メイク&スタイリングに気遣わず)お話を伺うのが安心です。先方のご都合と場所の手配を鑑みて、スケジュールを作成。
あらかじめ、先方にもお伝えしておく。


◎できれば前日は「よろしくお願いします」連絡を入れておく  【編集者】


◎お話を伺う準備 
1 当日までにお相手の方の情報をできるだけ仕入れる。
 作品があるなら作品に目を通す。
 HPがあればもちろん、取り上げられた雑誌などがあれば目を通す。
 最近はツイッターやFBで発信されていることもあるので、こちらも必ず。

2 編集者のどんなコンセプトの読み物にしたいかという意図に添い、編集者・ライター間でコンセンサスをとる。インタビューもそれに添った質問を中心に。仕上げの文字数にはくれぐれも注意。600字と3000文字では、述べられることもまったく違います。※この段階で、ページ数が確定できない場合もあるので、臨機応変に。
 

3 「2」の内容に合わせて、ふさわしい質問を用意する。
  できればお相手に、先に質問事項などをお送りするほうが親切です。


◎インタビュー本番[お話を伺うとき]
※編集者が同行する場合は、編集者が差し入れやお土産を用意するんじゃないでしょうか。お相手が喜びそうな差し入れひとつ、あるといいと思うなぁ。ぜんぜん違うと思うなぁ。

お相手の許可を得てから録音をする(専用の録音機のほか、最近はスマホでも録音できます。テープ起こしをすることを考えて、利便性をもとに録音機器を選びます)。
お伝えした質問を順にしていくほうがいいケース、お相手の気持ちのいいように喋っていただくにまかせるケース、お相手の個性に合わせてさまざまです。
くれぐれも、こちらのやり方を強要せず、お相手の心地よさ優先でいきましょう。


現場は取材者(ライター)がお話を進めていくことが多いです。
編集者のクセにもよるし、編集者とライターのカップリングによっても異なります。
臨機応変に。


※楽しげにお話を伺うのがいちばん大事。
 聞きながらメモをとるとき、書くことに集中しないように気をつけて。

※最近はノートパソコンでメモしながら、インタビューなさる方もいますよ。完全なタッチタイピングができるなら、それもありかと思います。打つときにお相手から視線をそらしてしまう程度なら、避けるのが無難。

※撮影が入るときは、世間話をしながら、録音もしておくと重宝することも。

※時間厳守で、お話をアップ。


◎インタビュー終了後
編集者とライターで、インタビュー直後にまとめ方のコンセンサスをとっておきます。
どの話を強調するか。オチはなにか。NGな表現はなにか。
全体の文章の構成は、「  」と地の文で行くのか。全部ひとり語りにしちゃうか。

編集の立ち会いがない場合は、できるだけ早く文章の構成案をまとめ
(できればその日じゅう)、編集者とコンセンサスをとっておきましょう。


◎原稿を書くぞ!
2P以上の長めの文章になるときは、音源を文字に起こし(俗に言う“テープ起こし”)をしてから原稿にかかります。
1P以下の場合なら、その日のうちに印象で原稿をまとめたほうが、いい仕上がりになることが多いです。
文章の始まりと、終わりの言葉を先にイメージしましょう。
そこが決まれば、中はするっといきます。たぶんね!

たとえさほどお話がはずまなかったとしても、ものすごくいい原稿に仕上げられることはよくあります。
要はお相手の気持ちや思いを汲むのがいちばん大事。そして空気感を読み取ることに、専念してください。
言葉以上に素敵なものをお持ちのことも、たくさんあります。そこに気づいてくださいね。


楽しいインタビューになりますように!


音声はボイスレコーダーに録音(チキンなので、iPhoneでも保険で録音しています)。

最初に購入したオリンパスが使いやすかったので、ずっと使っています。
USBジャックにそのまま差し込み、データが移動できるのがいいです。
音声の起こし方は人それぞれ好みがあるようですが
私はボイスレコーダーで操作しながら起こすのが好きです。
 

さて、どこから書くか

2009年4月11日 (土)

雑誌の誌面を見ると、タイトル、小見出し、本文、写真キャプション、
さらにそこに情報の小見出し、小本文、物件データまでついていることがあります。
さて、どこから書くか。

書きやすければどこから書いても構わないのです。約束はとくにありません。
デザイン入れの段階でタイトルはできあがっているから、それはよしとして。

わたしは周りから書きはじめます。小情報やら、キャプション関係など、
外濠の細かな作業をすべて埋めてしまってから、初めて本文にとりかかります。
物件情報を先に書き上げてしまうというわけです。
面倒くさいものから最初に……というわけではありませんよ(ちょっとあるけど)。

物件情報の記載は、データの表記を統一して書くこと。これは超基本です。
情報はできるだけ的確に、即物的に書くこと。
120文字くらいなら4つ・5つくらいの情報しか入りません。
もし複数の物件があるなら、タッチや観点は揃えること。
できれば特集全部の物件を、先に書き上げてしまうのが確実です。
物件がなくて、キャプションがたくさんある場合も同じで、先にキャプションから書き始めます。
この場合のキャプションは「情報」の代わりになるからです。

ページのかなめとなる本文は、フィナーレに書き上げます。
本文では、今まで書いた情報をすべてまとめて、総括を述べるわけです。

もしかすると、数学の得意な人ならそういうことを計算して
器用に本文から書けるのかもしれませんね。
そうでない人は、先に周囲を書いてから本文に取りかかると、
頭のなかで、本文で「書かなければならないこと」の整理がつきます(即物的な情報を書きながら、本文の構成を考えておく)。
そうすると、企画が破綻せずにすむし
二重表現(キャプションでも本文でも同じ文言が入ってしまうこと)だって避けられます。
文章に慣れていない人はとくに、この方法がおすすめです。

で、書き上がったものは、必ず読者になって読んでみましょう。
編集者の視点でということです。
自分の原稿を第三者になって読んでみて
わかりにくいところをチェックしたり、表現の曖昧なところを修正して、できあがり。
どうぞ「いい読者」になってください。自分の原稿でも同じです。
いい読者が、いい書き手を育てます。


以上が誌面の原稿づくりのセオリーです。
さらに言うと。
わたしにとって、本文はメインディッシュ。いちばんおいしく、好きなところ。
子どもの頃から、好きなものは最後に食べるクセがあるのです(^_^;)