PCのメンテナンス データ名のつけ方

2015年1月23日 (金)

編集の仕事は、気が付くとすぐに紙だらけになってしまいます。

IT化が進んで、ずいぶん紙は節約できるようになりましたが

それでも使う紙の量は多いです。

 

以前は、校正紙のほか、先方とのやりとりはすべて紙で

保管していましたが(だいたい発売期間後、半年間保管)

最近はメールを使い、PDF添付で先方確認させていただくことが多く

紙を使わず、データで管理するようになってきました。

先方確認のPDFを、そのまま添付してメールする習慣をつければ

メールが確認の証拠として残るので便利です。

(アップロードしてはだめ、メールに証拠が残らないから)

紙で確認したものは、PDF化して管理しておけば、ペーパーレスでOK

 

仕事と仕事の合間(レギュラー仕事の号と号の間とか)に

必ず行うのが、PCの容量ダイエットです。

ノートパソコンを使っているので、容量はそんなにはありません(222GB)

PCのローカルディスクを右クリックしてプロパティをチェック

空き容量が半分くらい空いているように整理します。

(終わった仕事のデータを、外付けのハードディスクに移動させ、本体を軽くする作業です)

これをやっておかないと、スタートするとどんどこ届くデータに対応できず

マシンのパフォーマンスが落ちてしまいそうなので、必ずケアしてあげます。

 

さらにデスクトップアイコンを、限りなくゼロに近づけるようにしたいものですが……

デスクトップのアイコンがずらーっとあると、仕事ができない人みたいでせつないです。

できるだけライブラリで管理して、デスクトップはスッキリと。

また、データの管理は、データ名をできるだけ統一すること。

Y(年)M()D(日付)内容_媒体名号数

でまとめていきます。

すべての書類が迷子にならないようにすることです。

(チームで仕事をするときは、原稿のバージョン(回数)を入れたりなど

みんなで保存の仕方を共有しておけばいいですね)

 

ときどきテキスト名やフォルダ名に

-」(ハイフン)や「・」(ナカグロ)を使っていらっしゃるのを見かけますが

アップロードサイトによっては使えない記号なので

_」(アンダーバー)を使うようにするほうがオールマイティで効率がいいと思います。

えらそうに書いてますが、ITとかPCとか、本当はものすごく苦手分野です。

でも、わからないことは検索すれば教えてくれますから安心して!

苦手と思わずにやっていくこと、楽しむことは大事です。

理想は、新しいことをいつもワクワクして楽しんでいる、ポール・マッカートニーの姿!

 

紙の資料関係もPDF化してスリム化させるといいのでしょうけど

なかなかそこまではできないのが目下の悩みの種です。

でも、今年こそはやるぞっ。

 

印象をよくするエクササイズ

2015年1月20日 (火)

いろんな視点をもつことは大事だと書きました。

そのなかのひとつともいえるけれど

後ろへの視点をなんとなく気にしています。

 

後ろ向きということではありません。

前を向いて歩いているときに、自分の後ろがどうなっているのかということです。

この世界に向けて、自分がどのような存在であるのか、ということに近いかもしれません。

自分はその場にどんな気配の残すのか。

 

たとえば、自分が歩いているときに、すれ違う人に対してはさまざま配慮すると思います。

できるなら仏頂面は避けたいし、すれ違った人が気分がよければいいなと

なんとなくそんなことを思います。

森田健さんの「六爻占術」のなかに“外応(がいおう)”という考え方が出てきます。

ざっくり言うと

「宇宙はとても親密で、いつもその人のほしい情報を投げかけている」というものです。

「あの企画は受けるだろうか」なんて考えているときに

とても楽しそうにすれ違う学生さんが目に入ったら、「その企画はOK、うまくいく」

みたいなふうにキャッチします。

詳しくは、森田健さんの『「母神」に包まれる方法』『幸運の女神を味方にする方法』(マガジンハウス)をどうぞ。

それでいくと、私のありようもどなたかの外応になるわけですから、

だとするとよいものでありたいと願いたいじゃないですか。

私は宇宙から受け取るけれど、私も宇宙にお返しするわけです。

できれば、お返しはよいものをお返ししておきたい。

 

なんだかスケールが大きな話でしょうか。

というわけでもなくて、「気配」ということでもいいと思います。

どこかに伺ったあとで、おいとまする。

そのあとで、その場所にどんな気配を残すのか、ということです。

気持ちのいいものなのか、なんだかどんよりしたものなのか、塩でも撒きたくなるものなのか。

 

ごく身近なところで、自分のあとにトイレを使った人が気持ちがいいのか悪いのか

 (きちんと流しているとか〈当たり前か〉、

便蓋を閉めているとか、ニオイがこもってないとか、きれい・汚いとか)

水場を使った後で、後の人はストレスなく使うことができるのかどうか

 (家庭科の授業のあと、使う前よりきれいにしろと教育されました)

ランチのあとテーブルを立つときに、片付ける人の気持ちになれるのかどうか

 (食い散らかしていないか、イスは来たときのようにちゃんと揃えているかとか)

作業したときに、きれいに片付けているのかどうかとか。

できれば一度確認してから去りたいと思います。

「立つ鳥跡を濁さず」という言葉がありますが、似ているかもしれません。

行動のみならず、言葉や表情にも同じことがいえます。



歩道を歩くときだって、後ろから来る人は追い越しやすいか、歩きやすいか

ゆっくり真ん中を歩いていないか、荷物は邪魔をしていないか、

雨の日なら傘はスマートにさせているのか。

 

よい気配を残せる人で、「仕事がうまくいかない」なんていう人を私は知りません。

気配の積み重ねが、人の印象となるのだと思います。

言い訳注意! 締切・遅刻・納品遅れのお詫び実例

2015年1月 8日 (木)

粗相したときに相手にきちんとお詫びができることは、大人の条件のひとつです。

いい大人は言い訳しません。

言い訳をせず、自分の非を素直に認めてお詫びすることは大切です。

 

仕事でお詫びが発生するシチュエーションとしては

1 約束の時間に遅れたとき (待ち合わせや取材に遅れる、提出や納期など期限に遅れる)

2 失礼・非礼のあったとき 

3 成果が予想よりも上がらなかったとき くらいでしょうか。

 

 

■あなたの言い訳は、相手の時間のむだ遣い

あなたが遅れてしまったことや成果が上がらなかったことに対して、多くの人は、

「なぜ?」は二の次です。

「遅れた」現実があり、これからどうするかのほうにすでに注意が向いているからです。

ここでことさら、懇切丁寧に自分の事情を説明する必要はありません。

事情はあくまであなた個人のこと。

個人のことが本当に気になるのは恋人同士くらいなものでで、あなた個人の事情に相手をつきあわせる(聞いていただく)のは余計です。

聞きたい人は「どうしてそうなったの?」と尋ねるでしょうから、そのときに丁寧に答えればいいことです。

 

■それは配慮のある発言か

「自分が悪いのではなくて、不可抗力の○○○のせいだ」といったこともあるでしょう。

でも、本当に不可抗力ならば、それは口に出すのもはばかられることが多く

言わないほうが賢明です。

約束の時間に20分遅れそうなときに先方へ電話をするという場合。

もしも本当にそうだとしても

「人身事故で電車が遅れて……申し訳ありません」なんて、平気で得意先で言わないこと。

そんな報告を聞いて気分よくなる人間はいないでしょ? 配慮が足りません。

気遣いのなさ、自分の未熟さをアピールするようなものです。

このようなときは「電車の遅延で到着が遅れてしまいます。申し訳ありません」くらいで十分。

自分に落ち度がないことを主張したいがために、気遣いのない言葉を平気で言ってしまうようではいけません。

聞いた相手がどんな気持ちになるのか、そんな気持ちにさせる相手と

ごきげんで打合せなり仕事なりができるのか? ということです。

 

■わかっているときは先に「報告」する

編集者は「締切」だらけの世界で生きています。

遅れることがわかった時点でできるだけ早く、ことが発生する前にお詫びを入れましょう。

すると少なくとも相手のスケジュールを台無しにする可能性が少し減り、

報告と相談の要素が増します。もちろんここでも言い訳は不要です。

 

話は、お詫び ⇒ 現状報告 ⇒ 仕切り直しの相談 の順で。

 

○到着が遅れるお詫び:遅れたあとの相手のスケジュールを気遣って

「ごめんなさい。段取りが悪くて到着が20分くらい遅れてしまいます。

申し訳ありませんが、それからお打合せを始めさせていただくことはできますか?

30分くらいお時間をいただけるとありがたいのですが」

 

(うまくいけば、「たいへんですね。大丈夫ですよ。気をつけてゆっくりお越しください」くらいまでもっていける)

 

○リスケのお詫び

「申し訳ありませんがスケジュールの相談をさせてください。

2日(金)までといただいた締切ですが、5日(月)の午前中までお時間をいただけないでしょうか」

 

(「わかりました。月曜の朝いちばんにはいただきたいけどどうですか? 急がせてすみませんね」くらいの展開が見込める)

 

○提出の遅延のお詫び

「ごめんなさい。段取りが悪くて、本日お約束のものをお送りできそうにありません。

ご都合がおありと思うのですが、明日の夕方までお待ちいただけないでしょうか」

(「わかりました。明日の夜はいないので、明日中にいただければいいです」など具体的な相談ができる)

 

もちろん遅れないに越したことはありませんが

お詫びを都度ごときちんとできていれば、遅れたことより、あなたの気持ちよさのほうが相手の印象に残ります。

これから先、本当にどうしようもなく困った状態の時に、

相談したら手を貸してくれる信頼関係が築けるようになるのです。

 

■言い訳は、あなたを貶めても、決して救わない

言い訳する人は、許されるべきマシな理由があると勘違いしているようですが

幻想です。許されるべき理由などはありません。

(厳密に言うと、広義では許されているのですよ。だって別に粗相のために仕事や人間関係を失わないでしょ? しかし言い訳することで、信用は薄らぐことを察しておきましょう)

 

×「ほかの仕事が忙しくて」「忙しくて」

⇒子どもじゃないんだから。忙しいのはみんなです。

言う人の神経を疑いたくなりますが、言う人はまったく悪びれていないのが不思議。

×「パソコンが壊れて」

⇒プロだろ!!(絶句) くれぐれもこの類いの言い訳は一度きりに。

とはいえ、本当にPC不調でとんでもないことになることはあるものです。

ありますが、許されるべき理由には相当しません。

許されるなら、危機管理なんて言葉は必要ありません。

 

言い訳したくなったらぐっとガマン。

言わないほうが思慮深く見え、墓穴を掘らずにすみます。

仕事ができる人で言い訳をする人を見たことがありません。

くれぐれも自爆にはご用心、ご用心。

 

 

 

遅刻したときの謝り方

2014年4月 6日 (日)

遅刻なんてしないに越したことはありませんが
念には念を入れて伺うときだって
アクシデントに遭遇することはあると思います。

先日、マナーの先生への取材だったときに
先生の前のご用事が長引いてしまい、20~30分ほど遅れて到着されるということがありました。

先生は到着されるやいなや開口一番
「本当にごめんなさい!!」と上半身を90度に折って謝られました。
「お待たせして申し訳ありませんでした」
「ごめんなさい」

私よりもずっと年上の先生が、年下の私に向って
最上級のお詫びです。その潔さに感動しちゃいました。

これがきっと、遅刻したときのベストな謝り方です。
「前の用事が押しちゃって……」
「出るに出られなくなっちゃって」
「電車が遅れちゃって」
など、言い訳はできればしないほうが美しい。

印象第一です。
目の前の相手への非礼を最上級にお詫びできたらそれがいちばん。
言い訳無用。
どんな言い訳をしたところで、「なら仕方ないな」なんて、まずなりません。
大きく言えば、
遅刻される ⇒ 自分をないがしろにされた気がする ということです。
どんな理由も、「自分をないがしろにする」許可にはならないのが普通でしょう。
だからこそちゃんと謝る。
はじめにしっかり謝ることさえできたら
そこから始まる時間の中で、少しずつ信頼を取り返すのです。
お話をはじめて30分、1時間経って、
なんだか楽しかったな、という気分で終わることができたら、
遅刻の事実は遠くへ行ってしまいます。
でも、別れ際に再び謝るのはお忘れなく。


ただ、遅れるときは、電話1本入れておきましょう。
「たいへん申し訳ありませんが、15分ほど遅れてしまいます」
このときも理由は言わなくていいんじゃないかと思います。
  電車が大幅に遅れて ⇒ 電車は遅れるものだし、用意が足りない
  前の打合せが長引いて ⇒ こちらは二の次なんだな
  ちょっとトラブルがありまして ⇒ こちらは二の次なんだな
  体調が思わしくなく ⇒ おととい来やがれ
くらいにしかなりません。


ときどき「人身事故で」なんて言う方もいらっしゃいますが、配慮が足りない。
これから始まるものがあるのに、なんで験の悪いことを言うのかわかりません。
それでも主張したいなら「電車のトラブルで」くらいにできないものか?


ミスしたときはチャンスでもあります。
目の醒めるような潔い謝り方ができたら、きっと一目置かれるんじゃないかしら。
遅刻したインパクトとともに、相手の記憶に残ったりして。

いえ、遅刻しないに越したことはありませんけど。

スタッフ紹介は呼び捨て?

2014年3月26日 (水)

取材現場では編集者は取材責任者。
ご挨拶のときは同行しているスタッフを紹介することは多いものです。

たとえば編集者がフォトグラファーと一緒のとき。ライターを同行しているとき。
そのスタッフを紹介するときは呼び捨てですか? 
それとも、「さん」などの敬称をつけますか?


ライター&フォトグラファーで取材に行くときは、ライターが先に挨拶しますよね。
フリーランスのふたりが同行するとき、フォトグラファーのことは呼び捨て?「さん」付け?


同じ会社、または同じ編集部の名刺をふたりともが持っているなら
社内(部内)扱いとして、呼び捨てが正しいです。身内ですから。


そうでないなら、敬称付けがいいと思います。
なかには「同じ編集部から仕事に来ているんだから呼び捨て!」という方もいらっしゃるかもしれません。
もしそうするなら、私なら先にフォトグラファーに
「ご紹介のとき呼び捨てでご紹介させていただきますが、恐縮です」なんて、先にひと言断っておきます(ほとんどないけど)。
だって、こちらが発注してお願いした、大切な方ではないですか!


こちらが堂々としていれば
取材先の相手は、敬称をつけようがつけるまいが、どちらでもほとんど気にしません。
(同じ編集部の名刺なら、「?」と思われます)
ただ一緒に仕事をする仲間が気持ちよく仕事できるかどうかが気になります。

編集者にとって、フォトグラファーは、素敵な写真を撮影してもらう宝のような人です。
この人に撮影してもらいたいから、この人の腕が素晴らしいから、わざわざ呼んできた人だということ。
敬称をつけて紹介することで、フォトグラファー自身の心証もよくなるだろうし、
取材先にも「この人、大事なクリエーターですから!」
「あなたのところをきれいに撮るためにわざわざ呼んできた人なんですよ!(ちょっと自慢)」と、
クリエーターを尊重する編集の気持ちが伝わります。
それが大事。
クリエーターはクリエーターなの。ただの作業人じゃあありません。
敬称をつけて紹介することで、現場にそのムードがあらわれるのです。


もしもですよ。何かの撮影のときに、とても有名なカメラマンを同行しているとしましょう。
きっと普通に、「さん」をつけて紹介するんじゃないかなぁ。


フォトグラファーだけに限らず、モデル撮影などで大所帯の撮影クルーを紹介するときも
それを基本にしています(もちろんライターと同行するときもね)。
そうすることで取材先やクライアントが、こちらのクリエーターに敬意を払ってくれるようになります(たぶん。その一端には、助けには、なる)。

人は、だれかがていねいに接する様子を見て
自分も、大切に扱わなくてはいけないなと、感じるものです。


敬称ひとつで、気持ちよく仕事がはかどるなら、いいじゃないですか!


どうぞよい現場になりますように。

仕事と近親者の葬儀

2014年3月 1日 (土)

少しマイノリティな話をします。

世の中には親の葬儀に出られない人がいます。

 

芸能関係の方でそういう話はときどき伺うけれど、

 

私の周りにもいらっしゃいます。

 

フォトグラファーとか、スタイリストとか、ヘアメイクといったクリエイターたち。

 

訃報を聞いて、入っている撮影をキャンセルするわけにはいかないわけで

 

なにごともなかったように仕事をして(気を遣わせるから周りの人に言えないのです)

 

仕事を完了させてようやく帰れるわけです。それではじめて悲しみに十全に身を置くことができる。

 

 

 

「親の死に目にも会えなかったし、葬儀にも出られなかった。

 

行けたのは葬儀の1週間後だった」

 

なんていうクリエイター仲間の話を聞くといたたまれません。

 

どんなにつらかったろうと、あとから一緒に泣いたりして。

 

 

 

いたたまれないけれども、クリエイターの仕事は、

 

ほかに代わりがきかないからこそ自分にお仕事をいただけるものでもあります。

 

仕事をいただくこと、受けることに対する覚悟といってもいいかもしれません。

 

(ここらへんは、会社勤めの感覚とは異なろうかと思われます)

 

 

 

やっている仕事の内容にもよりますが、

 

親が死んだのに合わせてすぐ帰れないという点では、編集者も似ています。

 

もちろん、ふたり以上でやっていてだれかが代われる状況なら話は違います。

 

それから書籍のように、ある程度進行が自由にできるならまだしも

 

進行のただ中にあって、大勢の人とお金が絡むのを、

 

ひとりでまわしているときにはまず無理。致し方ありません。

 

そんな仕事を選んだのだと思ってあきらめます。

 

 

 


ナーバスな問題だし、正解はありません。
でも、その日はいつかはやってきます。
そのとき自分はどう動くのか、シミュレーションしておくのも大事だと思います。
たとえ故人とは意思が通じ合っていたとしても
葬儀に参列できなかったら、親族からは総スカンだし
仕事に穴をあけたら仕事はもうこないだろうし
(というか、保障問題に発展することだってある)。
……どちらにしても波風が立ちます。
クライアントの率直な気持ち「ご愁傷様です(でも納期は守ってもらわないと困る……)」
その言外の(  )の部分を、自分はどうフォローできるのか、ということです。

 


でも!

 

未来の悪いことばかり想像して落ち込んでもしようがないわけで

 

そこは「私は運がいいので間違いなく葬儀に出られて、

いい送り方ができるから大丈夫!(にっこり)」

 

と思うようにしています。

 

 

 

と同時に。

 

自分が仕切れる立場の葬儀なら

 

葬儀会社にエンバーミングと遺体の長期保存をお願いして

 

葬儀を待ってもらう方法を水面下で模索したりして。


 

いずれにしても、マイノリティな話だし、正解はありません。

ないけれどもちゃんと対峙して考えておくことは大事です。

マイノリティなりに、世間とどこまですりあわせることができるのか。



いずれにせよ、大好きな故人と自分なりにいいお別れができたと納得できることが、

それから先、生きていく上できっと大切なことになるのではないかと思います。



追記

とはいえ、身内の不幸があったときは、上司がいるなら上司にまず相談を。
フリーでない限り、会社にいる限りは守られると思います。

すべての人々がそうした悲しみに十分に浸ることができるということは
とても豊かな世の中なのではないでしょうか。

 

2015.2.11

 

 

 

 




 

 

 

 

気持ちのいい人

2013年6月23日 (日)

新宿のオッシュマンズに行ったときに、対応してくださった女性の店員さんがとても感じがよくて
どうしてこんなに気持ちよく感じるのか考えた。
ほかにもいろいろなところで出会う、気持ちいい店員さんたちの共通点。


気持ちいい店員さんで、笑顔でない人はいない。
ほほえんで仕事をするのって、きっと大事なことだ。
そういえば、伊勢丹の日本茶テロワールにも、いつもほほえんで仕事をしていらっしゃる
素敵な女性がいたっけな。
見ていてとにかく気持ちがいい。


商品知識も大切だ。
家電店なんかではとくに、打てば響くようにさまざま教えてくださる方がいて、惚れ惚れする。
意見を求められたときに、その商品についてコメントできること、
客とのマッチングまで正確に言えたら、完璧。


それから、ポジティブさをベースにできるかどうか。これも大事。
前向きで楽しい気持ちになるので、こちらの口元も、財布の口とともにゆるみがち……。
ちょっとした日常会話も、ポジティブベースにできるかどうかで、大きな差になる。
「雨降りでいやですねぇ」と言われるより、「いいお湿りですね」だし
「暑くて参りますね」なんて言われるより、「この暑さ、今日はビールがおいしいでしょうね」くらい、言われた方がぐっとくる。


さらに、気持ちいい店員さんに共通しているのは、気遣いが細やかなこと。
あくまで相手本位。決して自分本位でサービスしない。
言外に、その客がなにを求めているのかをすくいとる。
このへんの妙技に触れたときには、感動する。
コメントの内容、商品の受け渡しのタイミング、目線。
ここがしっかりしていると、客は「大切にされている感じ」を受け取ることができる。
大切にされている感じは、どんなシーンでもとても大事。
「丁寧さ」を醸すのは、この気遣いと、礼儀正しさだ。


あとは基本的な礼儀正しさ。行儀のよさ。
話し方もそうだし、商品の渡し方、お金の渡し方。
お茶の出し方、歩き方、身のこなし。
お札の向きを客側正面にきれいに揃えるなど、おつりの渡し方が美しいと、とてもうれしくなる(これも「大切にされている感じ」につながるかな)。
おもてなしを表現したいからと、新札のおつりを準備するお店もときどきある。
それとは別に、ふとしたときのやりとりで、こうした扱いをされるととてもうれしい。
コンビニでもお金の渡し方に気づかう方、いるよな。


仕上げは別れ際まで美しいこと。最後の印象は、わりと残る。
お見送りするなら、見えなくなるまでちゃんとね。
目線ハズしてよそ見をしているのを見るのは興醒めだし、
客から回れ右をした直後に、笑顔がなくなるのを見るのは、第三者として目にしてもつらい。
「遊びだったのね」という気分になる。


「大切にされている感じ」をきちんと受け取ることができると
あとあとまで、人はその印象をよく覚えている。
それは、その人の印象であり、店の、企業の印象であり。
もっというと、恋愛でも、ふつうの人づきあいでも、少しも変わらない。


人ごとではありません、私もちゃんとしなきゃな、と思うのでした。

風邪とたたかう!

2012年10月25日 (木)

たとえ39度のお熱でも、校了日は動きません。
たぶん入稿日だって手加減してくれやしないでしょう。
いや、編集者だけじゃなくて、みなさんいっしょですよね、きっと。

この季節、風邪ひかない・ウツらない・もらわない・うつさないようにするのは、課題じゃないでしょうか? 
そこで、不特定多数の人と会うのが仕事のタクシーの運転手さんや医療関係者、そのほかのみなさんから集めた風邪の予防法いろいろ。
だまされたと思って、いざというときお試しください。結構いけますよ。

1ビタミンCの大量摂取
ちょっと荒療治ですが、たいへん効果あり。
朝起きて、「鼻が乾いている」「喉がイガっとする」、そんな超初期症状があれば、市販のビタミンC(Eと一緒になっているやつが飲みやすくておすすめ)を大量に摂取。
1回分1袋のやつは(普通は1日3袋マックス)、10~15袋/1日 飲んじゃいます。
風邪と闘うためには体内にBとCが必要だそうで、それを外から補給する発想。BCは摂りすぎると尿として体外に排出されるので大丈夫。これはお医者さんの書かれたコラムで読みました。
ただし、アスコルビン酸原末は飲み過ぎるとショック起こしますので、絶対にやっちゃだめ。……以前やって救急病院送りになったことがあります(-_-) 胃が激痛、即入院の羽目に。翌朝退院しましたけど。
また引き込んでしまった風邪にはたいして効きませんのでご注意。

2 保湿 喉をたえず湿らせる
喉が渇くと風邪の菌が張り付きやすくなるらしい。常時湿らせるようにするのが風邪に有効なんですって。
あめちゃんを舐める。加湿する。お茶を飲むなど。
眠るときはマスクをつけて眠ります。

3 保温 
風邪の入口は、首の付け根のくりっとしたところ だとか(背中のほうです。「霊気の入口」ともいわれる場所)。
寒気がしたら、ここをドライヤーであたためるとよろしいようで。
そのほか、使い捨てカイロ(貼るタイプがよろし)で腰と下腹をサンドイッチは、ちょっとした腹痛にまで効果あり。

4 からだをあたためる食べ物 いろいろ
白ネギ……風邪のひき始めは、白ネギ焼いて1本分をガシガシ食べる
しょうが湯……すり下ろしたしょうがとはちみつをお湯で割る
はちみつレモン……これはどちらかというとBC補給として
唐辛子系……キムチ鍋っぽいもの ⇒でも最終的に唐辛子は体を冷やす部類の食べ物です。発汗させて冷やす役割。

5 うがいの励行
のどを洗うのと同時に、がらがらうがいをすることで、喉の血流をよくするのがいいらしい。うがいは水でもいいですが、日本茶の出がらしが効果的。冷蔵庫に出がらしをポットに入れておくとか。
シャワー浴びるときに、一緒に鼻うがいもいいっていいますね。
わたしは「マナチュラ」うがいをやってます。 マナチュラ、便利です。歯茎が痛いときも、磨いたあとにマナチュラでクチュクチュ。


ほかにご存じの風邪ネタあれば、ぜひ教えてくださいね。
共有しましょう。

風邪としっかり立ち向かえる元気な体を作っておくのがいちばん大事。
免疫力アップは基本ですよ。

お仕事をさせていただいたあと、かれこれ5年以上も使いつづけているマナチュラ。 はじめは高いけど、ものすごく長持ちします。 風邪にもテキメン!(個人差があると思いますけど)

電話のかけ方

2012年8月13日 (月)

ここではお仕事に限定しています。恋の電話はこの限りではありません。

用件から言う
先様は忙しいです。またあなたの話によって、返事を変えたいかもしれません。

目的もかならず添える
いきなり「9月9日の昼、空いてますか?」はNG。検討の余地を与えること。用件によっては断りたいこともあります。

※以下、いずれもOK例 

↓ ↓ ↓

「○○の撮影があるのですが、○○の昼、空いてますか?」

「一緒にお食事でもと思っていますが、○○の昼、空いてますか?」

「○○の打合せをしたいのですが、○○の昼、空いてますか? お食事をしながらと思っていますが」

などです。


ただし、昼間は本番で動き回る人たちは、打合せは一日のど真ん中をはずすのがマナーです。

14時~15時であなたが打合せのアポイントを入れたために、その日の1日仕事をフイにしてしまうことも。ご注意を。


「もしもし」で用件を察する
ついでながら、あなたが電話をとったとき、「もしもし」などの相手の第一声で
相手がどんな状況で、自分にどんなことを伝えようとしているか察すること。
これは訓練です。
人の声のトーン、受話器の向こうの空気を感じる訓練だけすれば、すぐにだれでもわかるようになります。
声には人の思いが強くあらわれます。
これがわかれば、あなたはそれに対する受け答えの準備をしましょう。


いかなるときも、切った後に文句は言わない
電話切った後に、どんなイヤな状況があったとしても、ひと事文句言うのはよしましょう。
ただただ貧しいから。
あなたは正しいかもしれない。しかし周りの人たちがイヤな思いをするだけです。
周りの人たちは、いつもあなたを見ていますよ。

出張時の持ち物

2012年4月 2日 (月)

朝起きたら、ホテルの空調で喉がやられて、風邪っぽくなっていたり
お通じ状態がいつもと変わってしまったり。
ひどいときには出張時、乗った飛行機で鼓膜が破れ、聞き取れないのと痛いのをガマンして、取材にまわらなくてはいけないこともありました。

いざ出張というとき、ひとりで行動する場合はもちろん、団体行動の場合も、
編集者は「お母さん的なポジション」ですから、体調を崩している場合ではありません。
なので、出張時の持ち物をまとめてみました。
出張でいつもと違う状況下に自分をおくとき、
少し落ち着かない場所で一晩過ごしても、翌日はいつもの自分のコンディションを保てること、
変わらぬパフォーマンスをキープできることは、重要なことだと感じます。
自分の恒常性を保つことができれが、からだがラクだから自分が気持ちいいし、いい仕事もできるはずですから(そう考えると、出張に限定しなくてもよさそうですね)。


というわけで、わたしが自分の恒常性をキープするため、
出張時に持ち歩くあれこれをまとめてみました。
洗面道具や着替えとは別の次元のことだし、あくまで「私の場合」です。
元気な若い人ならいらないだろうとも思います。加齢につれ、こういうのがお守り代わりになってくれるんです。
普段から、自分のからだの弱点をフォローしてくれるなにかを見つけておけばとてもラクだと思います。

↓ ↓ ↓

○眠るときに(または夜間)履く衣の5本指の靴下+綿の靴下
 夏もできれば持っていきます。冷え防止
○絹の腹巻き
 薄着していても、夜は腹巻き必須。体調が安定します。
○普通のタオル1枚   なにかと重宝。とくに冬は首に巻いて寝ます。
○ビタミンCとE製剤
 朝起きたときに、ほんの少しでも喉がカラッとしている、鼻が乾いているなどの症状があれば、迷わず朝から2袋服用。ビタミンCで自己免疫力を強化し、からだが戦う応援をします。風邪気味のときはとくに多めに持参します。朝、瞬間の異常でこれを適用すれば、まずひどくはなりません。5袋は持っておきたい。
○固形石けん
 液体のソープじゃなくて、固形が好きなので。かならず1個持っていきます。
○歯ブラシ・歯磨き粉
 これは備え付けのものではフラストレーションが溜まるので、かならず普段使いのものを持参します。歯磨き粉は「シュミテクト」。携帯用は販売していないので、大きいものを持っていきます。
○馬油
 乾燥しがちなお肌の救世主。顔にもボディにも、使う場所を選ばないのもいい。持ち運びは「ソンバーユ」の液体タイプがいいです。
○入浴剤
 気分転換できるよう、かならず1個は持っていきます。
○マナチュラ
 銀イオン水を手軽に作れるもの。ペレットだったら持ち運びも便利! 活躍シーンがとにかく多い。
 1ファブリーズ代わりに大活躍。服のニオイをすぐにオフ 2部屋がクサイときにも大活躍 
 3バリ島などで最近が不安なときに、マナチュラ水を飲んだり 
 4傷口の消毒 5口内消毒 あらためて活躍ぶりにびっくりでした

 先日旅先でお目にかかったバリ島に住む日本人の方が、「バリ島では銀イオン水が暮らしから手放せない」とおっしゃっていました。食あたり防止には、銀イオン水を飲めばテキメン。あと、インフルエンザの予防にも、銀イオン水はとても効果的と聞きました。すごいな。


■ビニール袋:ジップロック系と、スーパーの袋を小さくたたんで。
■ウエットティッシュ(アルコールフリー)
■お守り代わりの貼るカイロ
■薬
痛み止め(ロキソニンがお気に入り)、胃薬(ロキソニンと同時服用)、ビタミンC・E、イミダペプチドの錠剤、目薬
■エッセンシャルオイル
グレープフルーツは必須。あとユーカリのほか、最近はセージも持っていったり。
気持ちが立ったとき、イガイガしているとき、グレープフルーツを嗅ぐと、わたしの場合は多幸感が。みなさん、なにか好きな香りがあると思うので、そういうの見つけてもっていたらラクですよ。

■印は普段からたいてい持ち歩いているもの。だから「荷物多い」って言われるのか。
人によっては、「休足時間」だったり「せんねん灸」なども入るかもしれませんね。

「ご覧のみなさんも、これは持っていくと便利よ!」「こう過ごせば快適よ」的な出張時の奥の手があれば
ぜひ教えてくださいね。

ビジネスメールの基礎講座

2009年5月20日 (水)

以前ホテルの方とお話をしているときに
「その人が仕事の能力はメールのレスの速度でみる」と伺ったことがあります。
……たしかに鋭い。
レスポンスをよくしとこうね、という話です。
手始めにそんなお話から、メールのコツをまとめましょう。
今さら? なーんて思った人、完璧かどうかおさらいしてください。
ついでに、付け加えたい事項は随時教えてくださいね。


1.お礼は迅速に
取材させていただいたり、初対面の方にお時間をいただいてお話ししたとき、
それから目上の方に時間をいただいたとき、ごちそうになったとき、
スマートに「ありがとうございました」や「楽しかったです」を伝えられたらどんなに素敵か。
お礼メールはその日のうちが基本です。
とくに「駆け出しさん」のあなた、
ちょっとした手間をかけるだけ……というか、それを「手間」とは思わないで欲しいのだけども
どうぞメールひとつでみなさんに可愛がられるテクニックを覚えてください。


2.回答も早急に
「○○○はどうなっていますか?」のお尋ねやご依頼メールをいただくこともあります。
お返しは迅速に。なるべく早く、的確に、が鉄則です。
転がしておくのがもっともいけません。レスが悪いのは仕事人としては最悪。
放置=無責任or仕事できない を明言しているようなものと心得あそばせ。
返答の内容が言いにくいことならば、メールではなくあえて電話でお伝えすることです。


3.悪い感情は絶対に送らない
面と向かって、電話で、言いにくいことってあります。
ところがメールだとそのハードルが、ぐんと低くなってしまうのです。
だからこそ、ここはもっとも気をつけていただきたいところ。
悪い感情、クレームは、どんなことがあってもメールにしない。
そして送った側はかならずソンしてしまいます。
その場は言った開放感があったにしても、
あなたの紡いだ悪い感情は受け手の側で増幅し、あなたの像をかならずゆがめ、のちのち大損こくことになりますよ。
ハードルが低い分、たまに悪い感情のメールを拝受することもあるかもしれません。
そこは「残念だなぁ」と思って、ぐっと我慢。
すぐにお電話を差し上げて、お詫びするなり、誤解を解くなりの解決を。
悪いメールには電話で対応。これも大事です。
大人としての対応が大事です。
問答無用。メールでしか言いたいことが言えないような、ちっちゃい人間にならないでね。


4.ビジネスメールは、用件のみ
メールの文章は簡潔に、要点をまとめること。
スクロールしなくていいくらいが目安です。
つい長くなってしまう人、日頃から文章を(もしかすると頭を)、整理するクセをつけましょうね。
わかりやすさ第一。


5.メールの危険性をいつも心得ること
便利なツールだけに危険もいっぱい。
あなたが送ったメールは、あなたの知らないところで、CCやBCCされているかもしれません。
あるいは企業ならば、第三者のチェックが入ることだってあるのです。
どんなときでも、第三者に見られる危険があることを、把握しておきましょう。
送っていけないことがあるの、わかりますね?
自分に送られているのが「TO」なのか「BCC」なのか「CC」なのかも気をつけましょう。


6.思いやりをひとこと
「用件のみ」がビジネスメールの基本ですが
ちょっとした心づかいが自然にできるようになると、メールをもらう相手も、自分も、心楽しくなるものです。
メールの最後に、「いい季節ですね」「お天気よくて気持ちいいです」などのひと言を添えるなんていかがですか。1,2行限度にね。
相手の立場を思いやるということです。


7.あれは正しい? メールFAQ
ビジネスならではの凡例がいろいろあります。
臨機応変に対応すべきことですが、聞きかじりの範囲でお伝えしておきましょう。

●「RE:」にくっついてくる前回メールは?
前回に送付されたメールをつけたまま返信するのは、マナー違反だそうです。
重要案件で、そうしないと混乱しそうな場合はもちろん別。
ときどき「RE:」が10回くらい続いて、なが~くなっちゃってるメール、ありますよね。
そんなときは勇気を出してあなたが切っちゃえ。
見せたい場合は別として、基本その後に第三者にまわされて、やりとりをさらしてしまうこともあるわけです。ご注意。
ただ「返信は上書きを基本」とする会社もあるようです。


●件名流用は?
相手に送信する際は、件名にも目を通して
先様のお名前が入っている場合は敬称なしのまま決して送らないこと。


●件名は?
さすがにみなさん注意されていると思いますが
迷惑メールかどうか判断できない件名で送るのはNG。
「こんにちは」だけの件名なんて、素人さんもいいとこですよ。
こういう場合なら自分の名前も件名に入れること(「こんにちは ゼロハチマル内山」ならOK)。
相手の自分のセキュリティをしっかり考えましょう。
そして失礼のないように!


●宛名、「様」つけてる?
アドレスの管理を、氏名表示で行うときは、表示名を「様」付きにしておけばいいのです。
「RE:」の場合も、ひと手間なんですから「様」をつけましょう。
一方、社外に送るメールに、社内の人間の敬称がイキママのはヘンテコ。
社内の宛名表示はアドレスだけ、または英文字表記がなにかと便利です。



いろいろ書きましたけど、わたしだって日々、さまざまな失敗をしております。
「出した」つもりが送信を忘れちゃったり
「この方にはゆっくり書きたい」と一日の最後にゆるり書くつもりのメールを
うっかりしてPCを閉じちゃったり……。
いけません、いけません。
PCを閉じるとき、お返事すべき先にお返事しているか、
転がしていることはないかどうかをざっと確認するクセをつけましょう。

そう。あなたも、わたしも(^_^;)


送信時間も気を付けなきゃいけませんね。
海外なら時差にも気を付けてっと。

お茶とトイレと

2009年2月10日 (火)

一流の事務所にお邪魔したときの共通項は
「出されるお茶がおいしいこと」と「トイレがきれい」じゃないかと思います。
篠山紀信さんの事務所とかね、K2とかね、「ソトコト」のトドプレスとかね、
会場系でもおいしいお茶やとっておきのジュース、コーヒーでもてなしてくださるところ、あります。
紀信さんの事務所に伺ったときだったかな、
高山寺の鳥獣戯画の器でお茶を出していただいたのが印象的でした。
すばらしい仕事をされているところで出されるお茶は、まずおいしいものです。
なので、お茶はちゃんとしたの、出しましょう。
心して。たしなみとして。心意気です。
こちらのおもてなしの気持ちがいちばん伝わるものですから。
そしてそれは、信頼のもとになると思います。

おいしいお茶は……そろそろまた実演しなくちゃいけないかなぁ。
茶葉は味がすぐにわかるので、緑茶ならグラム1000円以上のものをお客様用に用意しておきたいものです(ちなみに今は1500円の嬉野です。とっておきのおいしいほうじ茶のことも)。
うちの事務所のいまの茶葉なら、80度で2分出し。
2分出すと、お客様用に二煎目は、ないかな。
以前は茶こし使いを徹底していましたが、最近のマイブームは、茶こしなしです(ごめんね)。
3人分淹れるときは、3つの器の濃さが均等になるように。
さて、つぎ方、わかるかな?
器になみなみとあふれるように……なんて、子どもみたいなこと、しちゃだめですよ。

器、茶托のたぐいも気を抜かずに。
高価なものを揃える必要はないけれど、趣味のいいものを。
おいしいものをたっぷりと、なので、大ぶりの器が社長の好みです。
相手や状況に合わせて、器の大きさまで選べたらベストですね。
それから器の外側が濡れているのは厳禁です。
茶托も、器のおしりも、きれいに拭ってからお出しするのが基本。

お出しするときは、もちろんお客様から。

お相手が複数の場合は、「偉い人から出す」のが順番です。

本当は右後ろから出してほしいところですが、打合せスペースの都合もあるので、

そこまでは言いません。

打合せが長きにわたるときは、様子を見て、2杯目を出すなどの気遣いも必要です。

トイレをきれいにするのはわかると思うから、ここでは書きません。
あ、使ったあとは、かならず振り返って、きれいかどうか確認しましょう。くらいかなぁ。
こうるさいですか。
でも、こうるさい人もいないとね(*^_^*)

年賀状

2008年12月31日 (水)

今年もようやく年賀状を書き終えて、新宿の郵便局の夜間窓口へ最後に持って行ったのは
30日の明け方でした。ぷはー。

宛名を書くときに忘れられない人がいて、わたしは今でも手紙やハガキの宛名を書くたびに
その人のことを思い出します。
鈴木六林男(むりお)先生。
西東三鬼に師事した俳人で、骨太な(というにはあまりに言葉が軽いけど)俳句を多数残されています。平成16年の12月に他界。

わたしの恩師のひとりです(もうひとりいらっしゃる。この話はまた今度)。
大阪芸大の教授で創作研究室の担当をしていらっしゃいました。
合同研究室に副手として勤務していたわたしは、
この方の強力なお誘いで、学科で出す文芸誌の編集を引き受けることになります(編集だけはイヤだったのだけど、断りきれなかった)。
あの経験がなければおそらく、今の雑誌編集者としてのわたしもいなかったでしょう。

普段はもの静かなおじいちゃまだったけれど、気骨、こだわりたるやものすごく。
その片鱗に触れて不思議な刺激を受け、20年経っても忘れてはいません。
芸術の「芸」の字は「藝」と書かねば誤りであること とか
しゃべるよりも作品を残せ。残す本の厚みで勝負しろ とか。そんなこと。
六林男先生に教えていただいたことのひとつに、宛名の書き方がありました。

なんのことはない。
住所を書くときに、住所の「天」よりも相手の名前の「天」を上に書け、というものです。
「住所よりも名前が大事や。当たり前やないか」とのことでした。なるほど。
というわけで、教えを忠実に守り、
今も、ほとんどの宛名は、住所よりも名前を上、もしくは天を揃えて書くことにしています。
ちなみに「様」を飾り文字にしなくなったのも、この方の影響と思います。

さて、ゼロハチ○の年賀状は、毎年、大阪のデザイン事務所の「ピクト」さんに作っていただいています。
今年はアップしていただいたデザインを拝見しながら、コピーをつけちゃった。
それほど素敵なデザインでした。
山本社長、石井さん、ありがとうございます(石井さん、二度手間かけて、ごめんなさい)

来年の年賀状も、素敵なのを、ひとつよろしくお願いします。

印刷の年賀状ならとくに、どこかひとつは手書きを加えたいところです。
宛名も印字ラベル(もしくはダイレクトプリント)、裏面も印刷じゃあ、
ダイレクトメールと変わりありませんから。
いくら社用といっても、味気ない。寂しいですね。
手紙というからには、手間暇が大事だと思います。

それから、もう、基礎中の基礎で恐縮ですが
1 切手はまっすぐ貼ること。
2 宛名のラベルもまっすぐ貼ること。
3 宛名はフルネームで書くこと。
4 部署名等々、省略しないこと。 社名に省略記号を使わないこと。
5 お名前の誤字・脱字、もってのほか。  以上。

基礎中の基礎で本当に申し訳ないのですが
過去に、子どもたちの作業の仕上がった年賀状を見て
「やり直しっ!」とテーブルをひっくり返したこともあったので、挙げてみました。
そんなこと言って
「ちょっと、名前まちがえてんじゃん」みたいな恥ずかしいことをしていたら、
ほんとうにごめんなさい。

さ、2009年の年賀状プロジェクトも、もう始まるわけです。
来年こそは、美しい、左うちわの年末を。ぜったいに。

ねっ、のんちゃん。

昔話 ~プラスキューの年賀状~

2008年12月29日 (月)

年賀状の季節です。
毎年、この季節になると、もう大わらわ。
事務所の仕事納めをしたあとで、ひとりバタバタし続けて、
年賀状を書き終えて、郵便局の夜間ポストに投函。
形だけは大掃除を済ませて、ようやくうちに帰れるのは大晦日の夜……なんてこともザラでした。
今年はみんなのおかげで段取りよくことが運び……大晦日はお休みできそうです。
のんちゃんもお疲れ様!

さて、今日は昔話です。
独立するまで在籍していた、編集プロダクションの年賀状のこと。
わたしが前にいた編プロは「プラスキュー」といって、代表は阿南満三さんでした。
ぴあの創立メンバーで、退社後は独自に関西で情報誌「キュー」を立ち上げ

(わたしが関西で大学1年生のときの情報誌といえば『キュー』でした。それがぴあ関西版の前身。ついでに、ぴあが関西にやってきたときの支社長が、ゼロハチ○の代表、五十嵐)。
映画『ウンタマギルー』のプロデューサーとしても知られる不思議な方でした。
大人なのに子どものようなところがあって、いつもなんだかキラキラしている。
ギラギラ、ではないんですね。たまにあって、ギラキラくらいか。

もちろんわたしはぺーぺーだし、阿南さんはわたしよりも18歳も年上ですし、
もとよりおしゃべりする機会なんてほとんどありませんでしたが、
それでも、この方の影響を自分は強く受けているように思います。
かわいがっていただきました(男として? このお話はまた、いずれ)。
それは粋で、かっこよろしかったのです。大人かくあるべし、と思っていましたから。

わたしが入ってまだ1,2年経った頃の12月の初旬。
それはすてきな年賀状が納品されました。
デザインは、パッケージングクリエイト代表の奥村昭夫さん(アナンさんのお友達つながり。当時のわたしの担当していたもMOOKは、ここ“パックリ”でデザインをおねがいしていました。奥村さん。超大御所です。贅沢な話ですね)。
黄土色の絹かなにかの布張りのハガキで、
「あけましておめでとうございます」と、金の型押し。
粋ってもんじゃありませんでした。ぺーぺーのわたしも、もうワクワクです。
でも、その年の忘年会で、
「すばらしい年賀状ですよ。非の打ち所がありませんよ。
確かに“デザインはおまかせします”と申し上げましたよ。でも、20万円もかかるなんて……」
と、しとどに酔っぱらった経理担当女史が嘆いていたのを、
ぺーぺーのわたしはおもしろがって聞いておりました(大人の会話はとにかくおもしろい。今も昔も)。

で、その布張りの賀状に、アナンさんは、一筆なんて添えやしない。
万年筆でさらさらと名前を書いてから、それはていねいに落款を押すのです。
粋ですねぇ。
当時別室だった社長室の模様を、なんで知っているかというと
お茶持ってくときに、様子をふいっと盗み見するからなんですね。
その、アナンさんの賀状のたしなみを、粋だと思ったし、美しいと思いました。
賀状に限らず、とにかくたしなみの美しい方でした。

最初の年、自分の分、何枚いただいたんだっけ。たしか、30枚くらいだったのかな。
大人のたしなみを横目に、同僚と連名でしこしこ一筆したためておりました。
あれはもうかれこれ、20年前のこと。
賀状の季節になると、そんなことを思い出します。

アゲアゲでいきましょう

2008年7月 2日 (水)

簡単です。
ブルーな気分になる相手とは、できれば一緒にいたくない。
恋も仕事も同じです。
だれかとお話するときに、相手の気持ちを下げない話し方というのがあります。

「でも」を使わない。これは基本。
言葉の意味をあまり考えずに「でも」を使う人をよく見かけます。
言葉のセンスの問題ですが、これはソンですよ。
あなたは普通でも、「でも」には割と強力な否定の意味があります。
「天気がいいですね」
「でも、明日も天気がいいんですって」
みたいな受け答え。
 でも → そうですね
言ってるほうは「そうですね」の気持ちでも、受け手は軽く自分を否定された感を持つの、否めません。
「でも」の代わりに「そうですね」と言うクセをつけてごらんなさい。アガりますから。少しずつ。相手が。
言えなければ「でも」は飲み込む。ごっくんです。

同様に、
少し前に流行った「逆に言うと」もいけません。
あなたが逆に言わなくていいのです。これも、言いかけたら飲み込んでください。

あとは
マイナスのことを言わないこと
瞬間判断で、マイナスかプラスか、言葉を判断しましょう。
たとえば、こんな言い換えです。前者がマイナス、後者がプラス。
「雨が続いていやですね」→「もうじき梅雨が明けますね」
「毎日真夏日なんですって」→「こんな日に海にいったら気持ちいいでしょうね」
「寒くてやになりますね」→「熱燗ひっかけたらうまそうですね」
……あれ、無理があります? 
まあまあ、それはよしとして、つまりはそういうことです。
世間話をするときに、できればプラスの話に持ち越せること、これ大事です。
マイナスの言葉を発せられた場合も、上記のようなプラス返しで対応します。
人間、愚痴ったらキリがありませんから。
できるだけそういう言の葉を、自ら口にしないことですね。
口がゆがみますから。

で、
相手のいいところを見つけたら、積極的に褒めるようにしましょう。
素敵だなと思ったことはてらいなく口に出せばいいのです。

もうひとつ、
相手のいうことをよく聞くこと。
上手にしゃべれる人なんてそうそういませんから(自分事をしゃべるのは論外。おそらくあなたの身内の話も、相手はたいてい聞くのがつらいはず)
相手に話をさせるように水を向けるほうが得策です。
居住地、出身地、趣味(ちょっとリスクあり)、TVなどなど
相手に合わせて話題をふってみればいいでしょう。
あなたがそこで相づちを打ちながら上手に聞けたら、相手の気分はきっとよくなるはずです。

で、フリでもいい。
あなた自身が楽しそうにしていること。
笑顔でいること。
すごく大事です。

あなたと別れるときに、相手が楽しそうであるように。
それはちょっとした技術から始まります。
ん~、恋も仕事も。

手みやげ・差し入れの選び方

2008年5月 4日 (日)

今回はエリーのリクエストから、お応えします。手みやげについて。
たしかに、編集者と手みやげは、切っても切れないものですから。

もう5年ほど前のことになりますが、
社内の某さんが、取材先へのおみやげにモロゾフのプリンを持って行ったと聞いて
わたしが激怒したことがありました。
それでは食のセンスがなさすぎる。
モロゾフのプリンは確かにおいしいです。わたしも大好きだもの(とくにカスタードプリン)。
でも、いい大人が、大切なときに、大切な人へ持って行く手みやげではありません。
手みやげにも、TPOや、「晴れと穢」があります(はい、読めなかった人は辞書を引くこと)。
その話をしたときに、みんなきょとんとしていましたが、
百戦錬磨の今ならば、どういうことか、もうわかるでしょ?

手みやげはこちらの思いを伝えるものでもあるのです。

というわけで、手みやげ名人を目指して、用意の仕方を指南します。

○ まず、晴れの品でいくか、肩ひじ張らないものを選ぶか。メンバーと場所を考える
お持ちする場と相手によって、晴れのものを選ぶか、肩ひじ張らないものを選ぶか、まず考えて下さい。
大きな撮影でスタッフを迎えるときは、話題をとれるくらいの手みやげが必要。
逆に、いつものメンバーでのいつもの打合せなら、肩ひじ張らないもののほうがいいのです。相手も気を遣わずにすみますから(でも絶対おいしいものにすべき)。

○その場所であけるものか、差し上げっぱなしになるものか
想像力が大事です。
その場であけることが前提ならば、食べやすいものが絶対。
差し上げるものなら、そのあと先様がどなたとどういう状態で召し上がるか。
多少は食べにくくてもいいのか。やはり食べやすさが問われるかどうか。

○なにを選ぶか
撮影時のお菓子も、取材時に持参する手みやげも、まずは何人で食べるかを考えます。
ものにもよりますが、たいてい1人1個はゆきわたるようにしたいですね。
できれば2個まわるといいかな、的に、このへんはケースバイケースです。
で、品物のセレクトです。

1 あったら喜ばれるもの
  夜の打合せで、みんなお腹が減ってるからおにぎりとか、
  しゃっきりするようにおいしいコーヒーにしとこうとか
  で、本来はコンビニものは不可。からだにやさしく、おいしいものが基本。
  3分ですから、髙島屋に走るべし。
  

2 相手の好物
  あの方は○○がお好きだから、とわかっている場合。
  ブランド指定のときもあるし、あんぱんがお好きだとわかっていたら、
  とっておきのあんぱんを仕入れておくとか
  

3 季節のもの・話題性のあるもの

  季節限定の菓子など、希少なものはアリ。
  また、そこから話題の広がるものもアリ。

4 自信をもって持って行ける銘菓
  先様の好みが不明の場合は、自信をもってお持ちできる品にします。
  よくあるものじゃいけません。多分に珍しくて、おいしいもの。
  「困ったときにはコレ」的な、自分のキメの品をストックしておくといいでしょう。
  わたしは日頃から、スクラップ作っていたなぁ。いざというときのお菓子スクラップ。
  雑誌見て、よさげなものをファイリングしていました。
  
  例)お菓子の家ノアの「窯出しチーズケーキ」 阿佐ヶ谷うさぎやの「どらやき」
  新潟からお取り寄せの「豆餅」とか…… 百貨店では揃わないもの。
  お持ちする日に合わせてお取り寄せしておくとか。
  本来は、路面でいい店があると、幅が広がります。
  名物のコロッケとか(気心知れた先にアツアツを。喜ばれます)、
  夏なら老舗のアイスクリンもなかとかね。同様に老舗のレーズンサンドとか……。
  共通項は、おいしくて、小分けで食べやすいこと。
  
そこまではできなくても、髙島屋でも(社外の方、すみません。最寄りの百貨店としてお考え下さい)、先様によって通用するものは多数アリ。
先様の出身地などを考慮して選びます。

5 飛び道具
  季節の果物。ただし、打合せや撮影時には、食べやすいものに限る。
  イチゴならヘタとって、くらいの気遣いが必要です。
  差し上げっぱなしのものなら、旬のもの、相手の好み、質で考えます。

▲やってはいけないこと。
1取材先に伺うときに、そこの近所で購入した○○。手みやげはわざわざ用意していくものですから、伺った先で「安易になにか」を見つけるのは絶対にNG。

2先様がとびきり好物ではない場合は、その方がよくよくご存じな品をお持ちするのはNG。ただこちらがものを知らないだけというのは、悲しすぎます。
例) 関西人に「アンリシャルパンティエ」の焼き菓子もっていくとか、「ケーニヒスクローネ」買っちゃうとか(←いずれも関西の超有名ブランド)。関西人に「つばらつばら」(「鶴谷吉信」も関西ですからね)。
関西人に「つばらつばら」持ってくくらいなら、「舟和」の芋ようかんのほうがまだ許されるわけです。
百貨店で選ぶときは、とくに要注意。ぜひお店の方に伺うこと。

○ 予算
一般的には3000円程度でしょうか。
もちろん、相手の人数と状況、おつきあいの程度によって、予算は大きく異なります。
わからないときはその都度確認してください。

手みやげが大事なのは、ひとつに、こちらの気遣いが表れるものだから。
もうひとつは、おいしいものを口にすると、それだけで人は笑顔になれるからです。
少々難しい局面を、手みやげで乗り切れることもあるということを覚えておきましょう。

手みやげにはセンスが出ます。
情報と自分の舌(自信がなければ先輩に教わって)で、いいセンスを培って下さい。

クレーム対応

2008年4月27日 (日)

「……ブリュレ!」と想像したあなた、間違いです。クレーム違い。

今回は、対外的なヘマをしたときのフォローについてお話しましょう。
取材の対応が気に入らない、スタッフの態度・対応が悪い、誤植……etc.
想像するのもいやなことですが、
人間だもの、思わぬミスはかならず起きてしまいます。
ただ、そのあとの対応次第で、許される場合・許されない場合の明暗がわかれます。
対外的なヘマは、むしろあなた個人の問題ではありません。
会社の責任になり、媒体への非難となることを覚えておきましょう。

たいていの場合、よくないことは電話でやってきます(最近ではメールのこともあるかもしれません)。
もしも、あなたが不幸にも、直接の担当者不在のときにその電話をとってしまったら
まずは謝ること。
たとえ自分のやった過ちではなくても、
その電話をとったあなたは、先方からすると確かに関係者なのです。
「自分の担当じゃないからわかりません」はもってのほか。怒りを増幅させますから。
関係者のひとりであるという認識をしっかり持ってください。


クレーム・対外的ヘマの場合の今後の道筋は
 
1怒りを受ける 
 2謝罪 
 3場合によっては理由を話す 
 4今後の対応策および改善策を提案する 
 5いったん収束させる 
 6以前の関係よりも深い関係を再構築する

となります。

こうしたときのあなたの誠実な対応こそが、この緊急事態を収束させるし、
打開できるのだということを忘れないこと。
先方にとっての誠実な対応とはなにか、常に念頭に置きます。

ことが重大な場合、またはあなたの対応が悪かった場合は、「2」「3」あたりで
「上司・責任者を出せ」になります。
ここまでいったら、もうあなたの手には負えませんから、すみやかにバトンタッチします。
ベストは、
「申し訳ございませんが、ただいま外出しておりますので、いったんお電話を切らせていただいて、連絡をとり、00分後にご連絡差し上げるようにします」でしょうか。
ここも臨機応変ですが、こうしたほうが、電話を切ったあとにじっくり善後策を練ることができます。
あなたから上司・責任者へ、ことの敬意を説明してからのほうが、上司はよりよい傾向と対策をたてることができるのです。
ただし、ベストは、あなた自身が収束させること、と、覚えておきましょう。
上司は、あなたの不備を詫びるのも仕事ですから、ここは気にしなくても構いません。
先方へのコールバックは、時間をあけすぎないこと。
思いのほか、外にいる上司につながらないときは、「もうしばらくお待ちいただけますか」と、先方への電話も必要です。



1怒りを受ける
先方が怒っていらっしゃるときには、しっかりその怒りを受け止めること。
これがクレーム対応の第一です。
電話であることが多いと思います。人は面と向かって相手に怒るのは難しいのです。
電話では比較的たやすくなります。
このとき、相手の怒りをよく聴くこと。話は決して遮らない。申し開きと言い訳をしない。これは鉄則。
まず相手の怒りの感情を思いきり吐き出させるのが大事です。
ここでは「怒られまくる」のが正解。

※ ここで大切なのは、怒りの理由を正確に把握することでもあります。
実務的な損害か、心証不良による不快か、その両方か。そしてその程度は。
電話で謝ってすむ問題か、すぐに出向くべきか。
謝ってすむ問題か、補償問題に発展するか。
もちろん目指すのは、謝ることですませていただくことです。


2謝罪
相手の怒りが正しいとき、つまりこちらに不備があるときは、きちんとお詫びをします。
「すみませんでした」はお詫びになりません。
謝罪は「ごめんなさい」か「申し訳ございません」が基本。
「ご迷惑をおかけしてたいへん申し訳ございません」
「こちらの配慮が欠けており、申し訳ございませんでした」など


3場合によっては理由を話す
ここはほんとうに難しいところですから臨機応変に
ミスした理由があまりにもお粗末なことなら、先方へ話さないほうがましなことは多いもの。
また業務上の理由で、お話してはならない場合もあるでしょう。
また、こちらの都合をそのまま話したところで、先方の怒りを増幅させてしまう場合もあります
(この場合は「1」に戻る。1→2→4…… への展開を目指します)。
ただ、先方は「なぜ?」が聞きたい場合も多いのです。
聞きたいのですが、その理由が「それはそっちの都合だろ!」的なことだったりすると、
火に油を注ぐことに。
言葉を選んでお話しすることです。


【飛び道具:先方へ伺う】
自分のことを振り返ると、「1」「2」でややこしくなった相手先のもとには
速攻で伺うようにしています。
これがもっとも収束させるのに早い方法だからです。
すなわち、お怒りを受けに出向く。で、自分で収束させる(ただし、このとき、責任者への報告を忘れずに)。
時間の経過は短ければ短いほどいい。
とくに我々編プロの立場でなにかしでかしたとき、版元へ迷惑をかけるのだけはさけなければなりません。
もちろん、報告はするのですが、ことを収束させてからでないと、かっこわるいでしょ。

版元に飛び火。これは最悪のシナリオです。
残念なことに、対応のまずさひとつで、簡単に火は広がります。

さて、先方へお伺いすることで、こちらの誠意を示すことができます。
また、面と向かって怒るのは、人間、非常に難しいということもあります。
つまり、許していただきやすい。
ですから、怒りが強ければ強いほど、出向いていくのがじつは正解。
起きているトラブル、そして相手から逃げないことです。

○できればすぐに伺う → スピードで気持ちを示す
 かならず、3000円程度のお詫びの品をお持ちする
 (渡すときは、紙袋から出して、品を渡すこと。紙袋のまま渡すなよ!)。
・ 
○先方の都合もあり、翌日に伺う場合は、
 服装を整える。準喪服! くらいの気持ちで、地味な服装がベスト。
 お詫びの品持参も忘れずに。


4 今後の対応策および改善策を提案する
先方へ伺う場合もそうですが、再発防止策を必ずお伝えします。
なにかミスをしたときには、かならずこれを考えるくせをつけましょう。
たとえ対外的なものでなくても。
ここから進歩が始まります。

ややこしいときは、ここで補償問題に発展することも。
もはやあなただけの手には負えない段階です。周囲に判断とフォローをゆだねます。


5いったん収束

6以前の関係よりも深い関係を再構築する
じつはこれがいちばん大事。お詫びの最終目標はここにあります。
トラブルのあった相手とは、以前にも増して、仲よくなるチャンスです。
まず非礼はきっちりお詫びする。
だれでも過ちがあるのは、先方もわかっています。
そこでの謝り方ひとつで、「やっぱりあそこってサイテー」にもなるし
「誠実な対応だから大目に見るか」にもなる。
すべてはこちらの出方次第です。
相手に通用するお詫びができたら、信頼関係をつくる大きなチャンス。
台風が去ったあとも、相手から逃げずこわがらず、むしろお近づきになりましょう。
それでこそ、ピンチをものにしたことになるのです。


【メールでのクレーム】
決して返信でお詫びをしないこと。まず電話をかけてお詫びをするのが基本です。
ややこしそうなら、お目にかかる。
お詫びをメールの文面にして残さない。
あなたが誠実に書いたつもりの言葉が、逆に相手を逆撫でし続けることもあります。
さらに、そのメールは、簡単にどこかへ転送されることもあるのだということを忘れずに。



なにか不備があって、こちらに怒りを表してもらえるのは、ずいぶんマシなのです。
それは、こちらに対する信頼が残っている証しですから。
怒りの感情をあらわにするのは、とてもエネルギーのいることです。
怒る労力をかけることを惜しみ、なにも言わずに、つきあいの一切を断ち切られる場合だってあるのです。
だからこそ、目の前の人が怒っていることに対して、謝る一方で、
敬意を忘れないでほしいと思います。

電話の受け方

2008年3月22日 (土)

会社に入ると、まずやらなければならないことのうちのひとつが、「電話をとること」。
電話を受けるのも、かけるのも、大事なこと。
電話なくして、編集は成り立ちません。
そこで今回は電話の受け方のレクチャーです。社会人全般に通ずるものですけど。
電話一本で仕事が来ることもあれば、逃げていくこともあります。心してかかりましょう。
さっそく、以下、実践編です。

必ず、コール1回目で電話に出る(鳴らしてもコール2回まで)。 
※ 新人のうちは「電話は全部わたしが取る」くらいで臨んでちょうどいいでしょう。
カルタ取りの気分で。

かならず、笑顔で、明るく、「はい、ゼロハチマルでございます」
※ 「です」ではなく「でございます」で出ること。とくに弊社のようによくわからない屋号をもった会社の場合、

初めてかける方がなんとなく不信感を持つことがあります。
電話の応対ひとつで相手に即座に安心感を与えられます。
※ 笑顔で電話に出るの、大事です。相手に伝わります。どんなに不機嫌でも電話を取るときにはいったん気持ちを切り替えて。笑顔で!
意識してワントーン高めの声で取るくらいでちょうどよし。
※ コール音を3回以上鳴らしてとった場合には「お待たせしました」を必ずつける。


▲先方が名乗る。呼び出し希望の担当者の名前を伝えられる
先方の名前を聞き出せないくせに「お世話になっております」と名乗るのは厳禁です。
相手がわからないのに礼を述べるという、「心ない」行動につながります。
聞き取れないときはその場で、「恐れ入ります。もう一度お名前頂戴できませんでしょうか」と尋ねます。
ここで聞きただすのは決して失礼にはあたりません。
まず、落ち着いて、先方のおっしゃる言葉を正しく聞き取るように努力して。


○指定の担当者が事務所にいる場合
「少々おまちくださいませ」または「しばらくお待ちくださいませ」
(「保留」ボタンを押して受話器を置き、すみやかに本人に知らせる)

○事務所にはいるが、ほかの電話に出ている場合
「申し訳ございません。○○(※)はあいにくほかの電話に出ておりますので、終わり次第こちらからご連絡させていただきます」
 ※外部からの電話に対しては、社内の人は呼び捨てにします。
 ※こうした場合は、先方の担当者・電話番号を伺って、メモにして担当者に渡す

○外出している場合(帰社予定は、ホワイトボード参照)
「申し訳ございません。○○はあいにく取材に出ております。○時頃には戻りますが、お急ぎ出でしょうか?」

急ぎの場合
「ではすぐに連絡を取ってみます。連絡がつき次第、ご連絡を差し上げますので、差し支えなければご連絡先をお教えいただきますか?」

急ぎではない場合
「よろしければご伝言を賜ります」または「では、お電話があったことをお伝えいたします」


電話を切るときは、
「失礼いたします」「ごめんください」
相手が切ったのを確かめてから切るのが理想。
こちらからガシャンと切らないように(こちらから切るときは、人差し指を使ってそっと受話器受けを押す)。

不在中の人に電話がかかってきた場合は、MEMOに下記の事項を書いて、その人の電話の受話器、またはPCのモニターに貼る。
① 電話のかかってきた日時 ②相手の名前 ③伝言内容 
④相手の電話番号 ⑤受信者(自分の名前)

外に出ている社内スタッフからの電話を受けたときは、相手を混乱させないように
必ず自分の名前を名乗ること。
「お疲れ様です、○○です」

編集は専門職であり、サービス業でもあります。ですから電話がつつがなくできるのは、大切な一歩。
取ることができれば、上手にかけることはたやすいですからね。
仕事ができるかどうかが、一目瞭然になるパートでもあります。
なに、ちょっとていねいに取るだけのことなんですけどね。
のんちゃんは、じつは電話取るのが上手。
いつもにこして電話を取るので、外から電話するときもほっこり癒されています。