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雑誌編集者を目指して、上京。
トラの穴で編集プロダクション生活をスタートさせたばかりの「のんちゃん」(23歳女子)に贈る
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スタッフクレジット は 歴史のひっかき傷!

2015年1月 6日 (火)

編集者になりたての頃、初めて“上の人”に噛みついたのは、

スタッフクレジットのことでした。

私が担当した記録誌の編集の大詰めで、

上の人が「奥付は作らない。スタッフクレジットも入れない」と言ってきました。

発行側と制作側との摩擦があったようでしたが、

そんな大人の事情でスタッフクレジットまで削られてはたまりません。

ずっとかかりきりで撮影してきたフォトグラファーの気持ちや

それを楽しみにしていた広報室スタッフの思いを考えると

とても了解することはできず、

「いえ、入れていただかないと困ります」と異議を申し立てました。

 

 

スタッフクレジットとは

フォトグラファー、スタイリスト、ヘアメイクアーティスト、イラストレーター、ライター、構成者、モデル……

そのページを作るために作業をしたクリエイターは誰かを、特集内などに明記するものです。

デザイナーや編集者、校正者、DTP、印刷など、全体に関わるものは「奥付」としてまとめられることも多いです。

 

 

編集の仕事と広告の仕事は、同じような仕上がりだとしても、

そのギャランティには3倍~5倍、一桁の開きが出ることもあります。

できあがりはそこそこ似ているのに、

お金のかけ方以外になにが違うのかというと、

クライアントフォローのほかに、クレジットの有無があるのです。

 

編集は、予算は少ないけれどクレジットが出るわけで

仕事したページ自体がクリエイターのおひろめにもなります。

クリエイターは「自分の仕事」として胸を張ることができるのです。

反面、それはクリエイターの責任でもある。

だからなかには、やっていること自体をおおっぴらにできない大人の事情もあるわけですが……。

 

出来上がった雑誌のクレジットを見て、第三者のほかの版元の編集者が

「この写真素敵! 今度この人に撮影してほしいな」と思いを寄せたり、

フォトグラファーが雑誌を見て「今度はこの本のモデルを起用しよう!」と意気込んだりと、仕事がふくらみます。

クレジットを通して新たな仕事へとつながることも少なくありません。

編集仕事のギャランティは安い。安いけれど、クレジットが出るからOK(思いっきり楽しく仕事できるしね!)、みたいなところもあるのです。

たかがクレジット、されどクレジット、なのですよ。

 

媒体側も、「この人にやってもらってるんです。スゴイっしょ!」みたいなことがあれば

クレジットの書体はどんどん大きくなります。

媒体側がクリエーターを自慢するような。わかりますよね。

 

反対に、クレジットの存在がお荷物扱いされることもあります。

文字の大きさが小さくいじめられたり、

英語のほうが日本語よりもスマートに見えるから、クレジットはローマ字表記でということも少なくありませんが、それでも入れないよりもよほどマシです。

「クレジットは入れない」。外部スタッフと仕事をするのにそういう気遣いのない紙媒体(編集者?)もあるのは残念な限りです。

 

 

「紙媒体」と書いたのは、

ウエブはまだまだそのへん、荒野だと感じます。

 

でも、ギャランティが安いなら、せめてクレジットは入れようよー!

 

と、考える感性を、どうか忘れないでください。

私たちは人と仕事をしていくのですから。

そのクリエイターの仕事に対するリスペクトを、

正しくあらわすことを忘れないでほしいのです。

編集者として。

 

 

文頭の異議申し立てについては、「クレジットあり」を勝ち取りましたよ。

25年経っても本は残ります。

彼の仕事も、彼の仕事と明記されて一緒に残る。

歴史にひっかき傷を残せるみたいで、ちょっと素敵じゃないかなぁ。

ページをめくりながらそんなことを考えます。

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