雑誌編集者を目指して、上京。
トラの穴で編集プロダクション生活をスタートさせたばかりの「のんちゃん」(23歳女子)に贈る
編プロ・トラの穴的 おこごと、仕事のコツ、ラクの仕方と、社会人的たしなみと。
順不同でまいります。
つまみ読み、どうぞ。
編集者になりたての頃、よく上の人に「ザル!」と叱られたものです。
いまだに「校正が大好き!」とは言いませんが、だからこそ気をつけてしのいできました。
気をつける。このチキンな感じ。編集者には大事だ一要素だと思っています。
「面倒くさい」よりもチキンなほうが優勢であること!
◎情報ものの通常の文字校正の場合◎
校正の途中で疑問が出てきたら随時付せんなどを利用する。
はずれないように、張って剥がせるセロテープを付せんの上から留めること。
(付せんだけにしておくのは厳禁。ミスを見逃すもと)
・開校して回収した情報先の修正を入れる
(通常なら原稿とのつきあわあせ校正になるが、
情報ものは校正紙を取材先に見せて回収するため(A)、
原稿つきあわせはできたとみなし、回収したものを最優先する)
・赤字が全部転記できたら、
素読み校正(統一表記や文章として洗練されているかなどをチェック)
・文中に日付(曜日との一致)、数字やデータなどが登場した場合は、
すべて裏付けをとっていく。鉛筆でOKのレ点をつける
■ひととおり終わったら、タイトルだけ、データだけ、キャプションだけを
チェックしていく。
ここは非常に重要な過程で、見落としがちな表記の不統一が洗い出せる
・デザインチェック。
統一すべきデザインフォーマットはすべて一致しているか、乱れはないか。
ここも見落としがち
・ノンブルチェック。抜けがないか、左右ページの割り付けは合っているか
■再校、三校と進みますが、先方朱字(A)は必ず見返すこと。
面倒でもこの過程は重要。重要なミスが避けられます。
■校了まぎわには、かならず掲載の電話番号やウエブに実際にアクセスし
つながるかどうかをかならず確認します。
ざっとこんなところかな。これだけやっていれば現場では対応できると思います。
■は、作業の上でポイントになる重要なところです。
道具関係は
赤ペン、青ペン、鉛筆、修正テープと修正ペン(フリクションを使うけどやっぱり置いておく)、定規、付せん、辞書かウェブにつながる環境であること。
私はそこにカッターも必ず置いています。
写真のトリミング変更のときに便利なんです……この話は長くなるのでまた。
自分でも理由は謎ですが、
私自身は高校生のときに、通信教育を受けて校正の基本を学びました。
基礎は身についたけど、現場ではさほど役には立たなかったと思います。
ひとつは、旧来のシステムからDTPへの過渡期であったこと、
それから通信教育の校正は、書籍の校正だったので、雑誌の現場とは食い違いました。
校正の上達にいちばん役だったのは、素敵な校正をする人を見つけること。
私は社内の先輩の美しい入朱(にゅうしゅ。朱字[あかじ]を入れることを
こう言います)に惚れ込んで、
ゴミとして捨てる校正紙をいただいてテキスト代わりに見ていました。
校正の仕方はウェブで引っ張ってこれると思うので、そちらを参考に。
もっとも、編集者によって、媒体によって、校正の仕方にはかなりクセがあります。
郷にいれば郷に従うの精神で、柔軟にいきましょう。
いちばん大事なのは、
修正してくれるオペレーターさんなりデザイナーさんなりに、
修正して欲しい部分やこちらの意図が、わかりやすすく端的に、間違いなく伝わることです。
二十代の頃、上の人に「ザル」と言われていたことは書きました。
当時は充分凹んでいたんですが、あるとき配置換えがあり、
私がその上の人のチェックしたものを確認する役回りになったんです。
するとアラ不思議。ザルな私がやっても、叱られていた上の人の見逃しを
パンパン見つけて朱字を入れることができるではありませんか。
なんのことはない。
校正って、あとから見る人は、
前に見る人よりも必ず間違いを見つけやすいんです(* ̄ー ̄*)
だからはじめに見るあなたが、見落としが多いからって必要以上にへこむことはありません。
そういうものだとなんとなく知っておきながら、着々と校正の精度をあげていきましょう。
そしてだれかがあなたの見逃しをみつけてくれたら「ありがとうございました!!」と
心から感謝すること(ちっ、とか思っちゃだめ)。
みんなでやって、精度の高いものをつくりあげる喜びを、あなたが感じられますように!
色校正にはまた違った楽しみがあるので、今度あらためて。
朱字の入れ方のコツも、また今度!
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