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雑誌編集者を目指して、上京。
トラの穴で編集プロダクション生活をスタートさせたばかりの「のんちゃん」(23歳女子)に贈る
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東日本大震災が出版業界にもたらした打撃

2011年3月28日 (月)

2011年3月11日(金)の東日本大震災から2週間。
死者・行方不明者2万人を超える壮絶な自然災害のほかに
原発災害も徐々に深刻さを増していくなか、
わたしが触れられる範囲で、この直後の出版業界の模様を残しておこうと思います。
震災直前に直面していたシビアな状況
(前夜の模様→ 
http://zerohachimaru.cocolog-nifty.com/nonchan/2011/03/post-cbe9.html )
に加えて、今回の震災。
おそらく出版業界は大きな岐路に立つことになるでしょう。
ここからどうなっていくのかはまだ予測不能です。
ドラスティックな進化を求められているような気がします。
今時代のただ中にいて、感じられる動きを残しておきます。


【東日本大震災直後の動き】
◆すぐあとに起きたこと

東北に関するガイドブック系の編集はもちろんすぐにストップ。
出版・企画、販売取りやめの報が相次ぎました。
弊社で担当していた旅行会社系の東北のガイドブックはすでに刷り上がっており、配本ずみ。
その後の本の扱いは、各書店におまかせするしかないとのことでした。


ちなみにわたしの担当するビューティ系カタログ誌は、地震の日の午前中に完全校了していました。
ともあれ作業は進むだろうと安堵していたところ、印刷所の担当者から14日(月)に
「印刷所の工場がつくばにあり、紙がひっくり返ってすごいことになっているから納期が遅れるかも」と
のこと。
結局3月16日納期が、2,3日遅れですみました。印刷所、すごいです。



◆紙がない! 
3月14日(月)は『週刊少年ジャンプ』の発売日。地震のために未配送や発送の遅れが生じたことから
公開を4月27日までと限定して、『週刊少年ジャンプ』15号をWEB上で無料配信とすることに。

http://event.yahoo.co.jp/shonenjump/special/
発行部数300万部の同誌の、初のオンライン配信なんて、ものすごいご英断!
……と喜んでいる場合ではなく、このとき出版業界はすでに深刻な状況に直面していました。


国内の20%の製紙業が集結している東北が打撃を受け、紙の供給がままならなくなっていたのです。
書籍、雑誌のたぐいも、「紙が……」はよく聞かれるようになりました。
発売休止と延期を合わせると、被災後1週間の間に200誌近い数に上りました。
秋や冬の定刊誌やムックでも「予定の部数通りに刷れないかも」という不安は、今も続いています。
また、なんとか紙を持って来れたとしても、道路事情の悪さによるルート変更と燃料不足により、
コスト高は必至の状態。
この辺は今後、我々制作側の死活問題にもつながるでしょうか。


⇒3月18日日経新聞(金)
http://www.nikkei.com/tech/news/article/g=96958A9C93819696E3EAE2EA9D8DE3EAE2E1E0E2E3E3E2E2E2E2E2E2;da=96958A88889DE2E0E2E5EAE5E5E2E3E7E3E0E0E2E2EBE2E2E2E2E2E2


⇒3
月26日(土)ビジネスメディアウォッチ
http://www.j-cast.com/2011/03/26091371.html


◆インクもなくなった!
東北では被災した小学生たちの教科書として60万冊が必要なのに対して、
「待った」をかけたのが印刷会社が集まって作る印刷インキ興業連合会。
インクの工場が被災して、在庫切れを起こしそうというSOSでした。
紙に加えてインクも!!


3月22日(火)日経新聞
http://www.nikkei.com/news/latest/article/g=96958A9C93819696E0E0E2EB978DE0E0E2E1E0E2E3E38698E3E2E2E2


ところで、この教科書問題に際して、
教科書の電子書籍化がいっきに加速することに3000点。
アップル社は今頃特需に備えていると思います。キンドルはどうでしょうね。



◆出稿の見合わせ、広告のストップ
TVでACのCFがまだまだ繰り出されるのと同じで、出版業界の広告出稿に関しても足踏みが顕著です。
被災が少ない地域でも広告自粛の動きがあります。
フリーペーパー系などはとくに大苦戦を強いられている模様。ことに3月は広告営業どころではないムード。
「今の時期に広告打つってどうなの!?」という出稿側(企業やお店)の心理に加わり、
原発の汚染状況が今ひとつ明確でないことも遠因に。
みんなが社会不安から抜け出せないなかで、「HAPPY! 」を訴求できない状況なのです。
とはいえ、出稿側も、環境が整えれば躍り出るように打って出たいわけで……。
まだしばらくシビアな状況が続きそうです。


震災をめぐる出版のネガティブな状況を挙げればキリがありません。
次のかたちに変わる過渡期に出版業界は立たされています。

でも、きっと、ピンチはチャンス。
今まで、誰かの「HAPPY!」な笑顔のために、本や企画を作り続けてきたように
これからもきっと、どんなかたちであれ、「HAPPY!」な笑顔につながるものをつくりたいと思います。

「次跳ぶための力を、今しっかり養っておこう」
そんな気持ちで、担当させていただいている3誌の会報誌系の発行延期を見送りました。
いっときのお休みは、決して後ろ向きではなく、
次へ飛び出すために、スタートを最高の笑顔で彩るために、力をつけるための時間であるような感じがします。


同業みなさんの静かな愛と力が、復興への強い力にかわることを祈ってやみません。

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