雑誌編集者を目指して、上京。
トラの穴で編集プロダクション生活をスタートさせたばかりの「のんちゃん」(23歳女子)に贈る
編プロ・トラの穴的 おこごと、仕事のコツ、ラクの仕方と、社会人的たしなみと。
順不同でまいります。
つまみ読み、どうぞ。
今日は、編集者としてとか、仕事をする上で、という以前の問題です。
もしもあなたが駅で、白い杖の人を見かけたら、迷わず手を貸してほしいと思います。
「恥ずかしい」とか「逆に迷惑なんじゃないか」とか考えるより先に
確実に動いてほしいと思います。躊躇・遠慮はこの際どうでもよろしい。
白い杖は、あなたに対するSOS。
とくに駅や横断歩道では、彼らは助けを求めたいのです。
助けられる相手は、もちろんあなたで構わない。
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白い杖は「目が見えない」ことのアピールです。
アピールです。妊婦が「妊娠してます」バッチをつけるのと一緒。
フォローが必要なのです。
いくら通い慣れた通学路・通勤路でも、人の多さに勘が狂うことも多く、
また人の流れは障害物競走にも似て、とにかく歩きにくい。
健常者のサポートが不可欠です。
あなたのすべきことは、彼ら視覚不自由者が階段を安全に登れるように、
ほかの乗客と一緒に電車を待てるところまで、アテンドすることです。
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声をかけるときは「一緒に行きましょう」「さ、一緒に行きますよ」でいいと思います。
手をつなぐのはよろしくありません。不安定です。
あなたの肘のあたりを持ってもらうか、肩に手をかけてもらうか、どちらかがいいでしょう。
階段の始まりには「はい、階段です」とか伝えてあげると親切だと思います。
同じように終わりには「最後の段ですよ」とかね。
ホームに着いたら、できれば「何号車がいいですか」まで聞くこと。
目的の車輌位置までアテンドして、彼(彼女)がほかの乗客と並べるようにします。
もしもあなたと車輌が違っても、
そこから先は、その車輌の乗客が車輌への乗車をきっとフォローしてくれます。
それまでのあなたのアテンドを見ているから、やりやすいのです。
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これはもう善意とか、親切とか、そういうレベルの話ではなく、
日常的な普通のこととして、白い杖を見たら即座に行動していただきたいことです。
あなたが誰かを助けることがあれば、
あなたがつらいとき、誰かの手を借りることもきっとある。
特別なことだと思わずに、躊躇や検討、遠慮する前に、まず手を貸すこと。
これがいちばん大事。
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視覚障害者に限らず
たとえば松葉杖で駅の階段を登る人がいて、もしもその人が荷物を持っていたら
荷物を代わりに持つくらいのアテンドをしましょう。
だれも「盗られる」とは思いません。それよりも先に困っていますから。
つきなれない「松葉杖」で「階段を登る」だけでもたいへんなのに、「荷物まで」あるんですから。
もしも見知った人がいたら、必ず荷物を持ってもらうに違いないのです。
もしもあなたが松葉杖経験者なら、このハードさ、きっとわかると思います。
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あとは横断歩道の車いすも気をつけてほしいところ。
自分で動かすの、車いすって結構たいへんです。
交通量が多いところではわりに危ないのです。
ただ電動車いすなら話は別。これは触るほうが足手まといになりますから気をつけて。
手動で車輪を回している人を見たら、フォローすべきと考えましょう。
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困っているときはお互いさま。
それはもうほんとうに。
もしも相手の困ったところを察することができるなら、極力解消するように努めましょう。
聴覚障害のある人になら、聴こえるほうの側から話しかけるとか。
どちらが聴こえやすいのかは、話を聞くときに顔が傾くのでわかります。
ただ、たしかに視覚障害者ほどはわかりやすくはありませんね。
けれど、ゆっくり、滑舌よく話すだけでも、かなり聞き取りやすくなり、会話がスムーズになるのです。
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特別なことじゃなく、あなたが普通にできることを、普通にやるだけです。
それは健常者の義務でもあると思います。
……健常者、という言葉には若干「?」と思わないでもないですが、それは置いておいて。
なにか不自由を抱えている人に対して、少しだけ敏感になっていただきたいと思います。
そしてもしも「DO」に対して、遠慮や躊躇があるのなら
「言ってる場合じゃない」ことを、どうぞ認識してください。
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