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雑誌編集者を目指して、上京。
トラの穴で編集プロダクション生活をスタートさせたばかりの「のんちゃん」(23歳女子)に贈る
編プロ・トラの穴的 おこごと、仕事のコツ、ラクの仕方と、社会人的たしなみと。

順不同でまいります。
つまみ読み、どうぞ。

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編集者の宝物

2008年7月 3日 (木)

宝物はずばり、スタッフです。
一緒に仕事をしてくれるクリエーターたち。
デザイナー、カメラマン、イラストレーター、スタイリスト、ヘアメイク、モデル、ライター……
彼らなくして、我々は成り立ちません。
彼らがいなければ、我々は丸裸の能なしです。
編集者ひとりでは雑誌をつくることは決してできません
あなたの思うものを、思う以上のかたちにしてくれるのが、クリエーターです。
ちょっと乱暴ないい方をすると

編集者の究極の仕事は、彼らのために動くこと、といっても過言ではないほどです。

あなたが彼らをリスペクトすることが、いちばん大事。
すべきことはそこから見えてくるでしょう。

まず、
彼らが動きやすいように段取りすること
彼らが120%自由に動けることを目指して、編集者は仕込みをすべきです。

デザイナーになら、やりたいことがきちんと伝えられるサムネールを仕上げて渡す。
カメラマンになら、いい環境を整え、情報を開示し、撮影の用意を怠らないこと。
彼らがより自由に動けるように仕込み、現場で立ち回ること。
撮影現場であなたがやるべきはカメラマンのフォローです。
たいていは取材相手があることですから、ややこしいことはすべて自分が引き受けるつもりで。

イラストレーターなら、描いてほしいイメージをきちんと伝えること
誌面の状況、イラストの大きさ、周囲の色、場合によっては細かな資料も必要です。
彼らが120%自由に仕事ができたら、それはそのままいい作品(誌面)につながっていくでしょう。
だから、
彼らの仕事のクリエイティビティのために自分が動くことを
惜しんではいけません。それが編集者の大切な仕事です。

仕上がりを受け取ったら、まず自分の感想を伝えること。
上の人がどう判断しようが関係ありません。いいと思ったらいいと相手に伝えるのが大事。
彼らはあなたと仕事をしたのですから、あなたの感想がまず聞きたいはず。
もちろん「あれ、こんなはずじゃなかった」ときは、その旨きちんとお伝えしますが
NGを出すときは、十中八九こちらにも責任があるときです。
なにか、伝え方を間違えていなかったかをまず省みるべき。気をつけて。

スタッフクレジットには細心の注意を払うこと。
名前のヌケ、表記間違いはもってのほかです。
編集のギャランティは広告に比べて驚くほど安いのです(そして我々のギャラも安い。残念ですが)。
その代わりにあなたは
世の中のすべての人に、お願いしたクリエーターの名を知らしめる義務があります。
クレジット表記は安いギャランティの代わりとして、
あなたが責任をもって確認しないといけないことです。

わたしが若い頃に、初めて上司に噛みついて離れなかったのも、クレジット問題でした。
花博の催事広報誌をつくったときに、上司から「ノークレジットにする」と言われたのです。
会社間の問題があったようでした。
でも、こちらはクリエーターへの責任があります。
「抜くなら辞める」くらいで噛みついたかと思います。あれは、編集者半年目のことかな。

編集者が守らなくてはならないのもクリエーターです。
少ないギャランティだけれども、滞りなく支払うように細心する。
もしもクリエーターの立場が悪くなるようなことがあれば、フォローに入る。
仲裁する。
基本です。
絶対に守ってあげてください。おそらくは、その気持ちが大事なんだな。

そして
自分のとっておきのパートナーを見つけることです
自分のイメージするもの以上仕上げるためには、この仕事ならこの人にお願いすべき……
それがパートナーです。
かっこいい本にしたいからこのデザイナーさん、ユルい本ならあの方かな、とか。
女の子を空気感ごと撮影してほしいならあの人で
花嫁さんをきれいに現場で撮影するならあの人、
的確に商品写真をお願いするあの人、
料理を最高においしそうに撮ってほしいからあの人……
スタイリストも、ヘアメイクも同じです。

今はまだ、年上の人ばかりで気後れするかもしれません。
けれど、今のうちから大御所とおつきあいできるのは、むしろ貴重な体験。
おつきあいを楽しんでください。かわいがってもらえるように。
いつかあなたがクライアントになる日がくるのですから。

自分の若い頃を振り返ると、
同年代の駆け出しのカメラマンで腕のいい方を、貪欲に発掘していました。
で、一緒に成長してきたと思います。
この人の写真が好きだと思ったら、とにかく世の人にアピールしたかったし
大きな写真を撮ってもらうように仕掛けたし
クレジットの級数を上げるように努力しました。
そのへんは、互いにもちつ、もたれつ。
写真に限らず
いいもの・才能を見抜くのも、編集者として大切なことだと思います。


その目を養うためには、とにかくいいものをたくさん見ることです。
「写真がわからない」のであれば、とりあえず
「コマーシャル・フォト」あたりを立ち読みしてみてはどうでしょう。
イラストなら「イラストレーションファイル」。いずれも玄光社刊。
ヒントがたくさん隠れています。
またクリエーター自身に教えていただくことも多かったです。
ま、今もずっといろいろ教わっているわけですが。

わたしも日々いろいろ情報を仕入れるわけですよ。
のんちゃんたちのみずみずしい感性に、ひょいと追い越されないように。

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