雑誌編集者を目指して、上京。
トラの穴で編集プロダクション生活をスタートさせたばかりの「のんちゃん」(23歳女子)に贈る
編プロ・トラの穴的 おこごと、仕事のコツ、ラクの仕方と、社会人的たしなみと。
順不同でまいります。
つまみ読み、どうぞ。
今回はエリーのリクエストから、お応えします。手みやげについて。
たしかに、編集者と手みやげは、切っても切れないものですから。
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もう5年ほど前のことになりますが、
社内の某さんが、取材先へのおみやげにモロゾフのプリンを持って行ったと聞いて
わたしが激怒したことがありました。
それでは食のセンスがなさすぎる。
モロゾフのプリンは確かにおいしいです。わたしも大好きだもの(とくにカスタードプリン)。
でも、いい大人が、大切なときに、大切な人へ持って行く手みやげではありません。
手みやげにも、TPOや、「晴れと穢」があります(はい、読めなかった人は辞書を引くこと)。
その話をしたときに、みんなきょとんとしていましたが、
百戦錬磨の今ならば、どういうことか、もうわかるでしょ?
手みやげはこちらの思いを伝えるものでもあるのです。
というわけで、手みやげ名人を目指して、用意の仕方を指南します。
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○ まず、晴れの品でいくか、肩ひじ張らないものを選ぶか。メンバーと場所を考える
お持ちする場と相手によって、晴れのものを選ぶか、肩ひじ張らないものを選ぶか、まず考えて下さい。
大きな撮影でスタッフを迎えるときは、話題をとれるくらいの手みやげが必要。
逆に、いつものメンバーでのいつもの打合せなら、肩ひじ張らないもののほうがいいのです。相手も気を遣わずにすみますから(でも絶対おいしいものにすべき)。
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○その場所であけるものか、差し上げっぱなしになるものか
想像力が大事です。
その場であけることが前提ならば、食べやすいものが絶対。
差し上げるものなら、そのあと先様がどなたとどういう状態で召し上がるか。
多少は食べにくくてもいいのか。やはり食べやすさが問われるかどうか。
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○なにを選ぶか
撮影時のお菓子も、取材時に持参する手みやげも、まずは何人で食べるかを考えます。
ものにもよりますが、たいてい1人1個はゆきわたるようにしたいですね。
できれば2個まわるといいかな、的に、このへんはケースバイケースです。
で、品物のセレクトです。
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1 あったら喜ばれるもの
夜の打合せで、みんなお腹が減ってるからおにぎりとか、
しゃっきりするようにおいしいコーヒーにしとこうとか
で、本来はコンビニものは不可。からだにやさしく、おいしいものが基本。
3分ですから、髙島屋に走るべし。
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2 相手の好物
あの方は○○がお好きだから、とわかっている場合。
ブランド指定のときもあるし、あんぱんがお好きだとわかっていたら、
とっておきのあんぱんを仕入れておくとか
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3 季節のもの・話題性のあるもの
季節限定の菓子など、希少なものはアリ。
また、そこから話題の広がるものもアリ。
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4 自信をもって持って行ける銘菓
先様の好みが不明の場合は、自信をもってお持ちできる品にします。
よくあるものじゃいけません。多分に珍しくて、おいしいもの。
「困ったときにはコレ」的な、自分のキメの品をストックしておくといいでしょう。
わたしは日頃から、スクラップ作っていたなぁ。いざというときのお菓子スクラップ。
雑誌見て、よさげなものをファイリングしていました。
例)お菓子の家ノアの「窯出しチーズケーキ」 阿佐ヶ谷うさぎやの「どらやき」
新潟からお取り寄せの「豆餅」とか…… 百貨店では揃わないもの。
お持ちする日に合わせてお取り寄せしておくとか。
本来は、路面でいい店があると、幅が広がります。
名物のコロッケとか(気心知れた先にアツアツを。喜ばれます)、
夏なら老舗のアイスクリンもなかとかね。同様に老舗のレーズンサンドとか……。
共通項は、おいしくて、小分けで食べやすいこと。
そこまではできなくても、髙島屋でも(社外の方、すみません。最寄りの百貨店としてお考え下さい)、先様によって通用するものは多数アリ。
先様の出身地などを考慮して選びます。
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5 飛び道具
季節の果物。ただし、打合せや撮影時には、食べやすいものに限る。
イチゴならヘタとって、くらいの気遣いが必要です。
差し上げっぱなしのものなら、旬のもの、相手の好み、質で考えます。
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▲やってはいけないこと。
1取材先に伺うときに、そこの近所で購入した○○。手みやげはわざわざ用意していくものですから、伺った先で「安易になにか」を見つけるのは絶対にNG。
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2先様がとびきり好物ではない場合は、その方がよくよくご存じな品をお持ちするのはNG。ただこちらがものを知らないだけというのは、悲しすぎます。
例) 関西人に「アンリシャルパンティエ」の焼き菓子もっていくとか、「ケーニヒスクローネ」買っちゃうとか(←いずれも関西の超有名ブランド)。関西人に「つばらつばら」(「鶴谷吉信」も関西ですからね)。
関西人に「つばらつばら」持ってくくらいなら、「舟和」の芋ようかんのほうがまだ許されるわけです。
百貨店で選ぶときは、とくに要注意。ぜひお店の方に伺うこと。
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○ 予算
一般的には3000円程度でしょうか。
もちろん、相手の人数と状況、おつきあいの程度によって、予算は大きく異なります。
わからないときはその都度確認してください。
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手みやげが大事なのは、ひとつに、こちらの気遣いが表れるものだから。
もうひとつは、おいしいものを口にすると、それだけで人は笑顔になれるからです。
少々難しい局面を、手みやげで乗り切れることもあるということを覚えておきましょう。
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手みやげにはセンスが出ます。
情報と自分の舌(自信がなければ先輩に教わって)で、いいセンスを培って下さい。
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