雑誌編集者を目指して、上京。
トラの穴で編集プロダクション生活をスタートさせたばかりの「のんちゃん」(23歳女子)に贈る
編プロ・トラの穴的 おこごと、仕事のコツ、ラクの仕方と、社会人的たしなみと。
順不同でまいります。
つまみ読み、どうぞ。
「少女と老婆は紙一重」
たしか、唐十郎のお芝居のなかの台詞だったと思う。
相手を知るときに年を聞くのが無粋だと書いてあったのは、『星の王子様』だっけ?
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たとえば自分は23歳。目の前にいる相手は30歳。
目の前にいる30歳を、年相応の大人だと思うから、構えてしまったり萎縮することはないだろうか。
相手の年齢に惑わされてはいけない。
人には実年齢とは別に、絶対年齢みたいなものがある。
実年齢30歳が、身も心も30歳的に美しく成長しているとは限らない。
30歳でも、絶対年齢は22歳……あるいはあなたより年下の人だっているかもしれない。
生きてきた時間にきれいに比例して、だれもが同じように成長するわけではない。
もしも人の成長速度が一緒だったなら、恋人たちは永遠に別れることがない。
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相手の年齢に期待してもいけないし、年上だからと構える必要は皆無。
相手をできるだけ正確に捉えようとするなら、年齢にとらわれないことだ。
そのほうがたぶん、正しく人を認識できる。
それでも年齢が気になるなら、せめて相手の絶対年齢を見極める力をもってほしい。
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自分の年齢についても同じことで
その年齢に逃げないこと。自分で作った年齢のイメージに固執しないこと。
「23歳で若造なのに、こんな仕事を任せられるなんて、無理」
「まだ30歳なのに、こんな重大任務を負うなんて」
なにかができないのと年齢は、まったく別物。ただ、年齢を言い訳にしやすいのも事実。
できないのは年のせいではない。別の理由があるはずなのに。
そこを見ずに、理由を「年齢」にすげ替えたとたんに、成長はぴたりと止まる。
恐ろしいことに。
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いつだって今、目の前にあることを着実にこなせばいいだけの話。
できるかどうかではなく、やりたいかどうか。
もしできなかったら、そのときに最善のことを考える。
やりたくないなら、なぜかを考えて、やりたくないと言うべきだ。
よりリベラルな状況にあるならば、
力のある人には相応のことが降ってくるだろう。
降ってきたことはいつだってチャンスになる。
神様は、あなたにできないことを、あなたの上には降らせない(いや別に宗教的な話じゃなくてね。喩えとして)
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こと編集の仕事のおいては、23歳が、30歳や40歳にオーダーしてもいいし、
もちろんクレームをつけても構わない。
もしそこに制限があるならば、若い時分には一流のスタッフと仕事ができないことになってしまう。
あなたがその仕事をどれほど大事にしているか、大切に思っているか。
問題はそこだけだ。
それがベースにありさえすれば、相手の年齢もキャリアも関係なく、人との関係は常に対等だ。
もしも「小生意気」だなんて言われたら、相手の器が小さいだけだと流せばいい。
真摯に対応していれば、やがて周りがついてくる。
それまで年齢を理由に凹まないことだけが、あなたの課題になるだろう。
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ちなみに、年端がいっている人も同じこと。
「もう年だから」と限定しては、すべての可能性は潰えてしまう。
「年下のくせに」と見限っていては、大切なことを見落とすだろう。
いくつであっても、いくつになっても、
新しいことにワクワクする、おもしろいと思える、未経験を楽しむ余裕がある、
そんなみずみずしさとしなやかさをそこなわずにいてほしいと思うし、
そうありたいと願う。
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