それが事実であるがゆえに、ニュースは最高におもしろい。
そこからドラマを読み取るのは、あなたなのかもしれません。
父は陶磁器が好きな人で、時々出張先で、自分の湯呑みだけ買ってくるようなことがあった。
これは、大学時代に帰省したとき
父に連れられて
小鹿田焼と小石原焼の里へ行ったときに買ってもらった飯碗。
どれか買ってあげると父に言われて、迷うことなくこれを選んだ。
この飴色に一目惚れだった。
なんていい色なんだろう。
眺めるたびにうっとりする。
買った時はもちろん、今も。ドキドキしちゃう色だ。
太陽光の下だとさらに表情豊かになる
麦芽糖の水飴みたいな、べっこう飴のような、
琥珀のような深い色。
光の加減で色が違って見える。
見た目よりも薄手だ。
使う時は少しだけ緊張する。
ご飯をよそうたびに、父のことを思い出す。
あの頃、思春期は、父とうまく喋れなかった。
あんなに早く亡くなるなら、もっともっとたくさん
喋っておくんだった。
10年後に父が死んでしまうなんて、夢にも思わなかったものだから。
ごめんね、おとうさん。
※直径12.5㎝ 小石原焼 實山窯
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