ポール・ロス

2013年12月 8日 (日)

「ポール・ロス」なる言葉があるんだそうだ。
わかるな。

私はヘビーなポールファンじゃあ、ない。
ビートルズで最初にいいなと思うのはジョンだった。
「でも、君の好きな曲は全部ポールだよ」と指摘されて、「え?」と思った。
次に好きになったのはジョージだった。ソロも含めてジョージの曲はいつも好き。
だけど、そんななにもかもを飛び越えて
耳に届くポールの曲はいつでもコンスタントに、ゴキゲンにしてくれる。

先日のポール・マッカートニーのライブは圧倒的だった。
気が付いたら涙があふれていて困った。
映像にもかなりヤラれた。
ビジョンに大写しになるポールは、まるで目の前で私のために歌ってくれているように見えて
たいへん素敵だった。

ポールはいつだって楽しそうだ。
新譜に触れると唖然とする。
彼のしなやかなこと。新しいことにワクワクし続ける子どもみたいな感性と、挑戦の仕方に。
それがいつでも楽しそうでたまらないことに。
ストイックな感じじゃなくて、「え、楽しいですけど、なにか?」という感じで。
それがたまらなく素敵で、あんな大人をお手本にできる我々の年代は、なんて素敵なんだろうと思う。

ポールはいつでも陽気に見える。
ライブでもなにもかもがとても楽しくてたまらない風に見えた。
底抜けに「ごきげんさん、でーす!」という感じ。

ライブのあとで『ザ・ビートルズ・アンソロジー』を見返していたら、
ポールは昔からちっとも変わらなかった(もちろん「Let It Be」あたりのブルーを除いて)。
私が気付いていないだけだった。
余談だけど、アンソロジーの中で、ポールが瞑想の効能について語るくだりがあって興味深かった。
以前見ていたときは、そこはすっ飛ばしていて、初めて触れるようだった。
昔の恋愛を大人になって眺めているような奇妙な気分がした。
ようやく近くまで来ることができたわよ!

何度も言うけど、ポールのライブは圧倒的だった。
71歳で、水を飲まず、2時間45分のステージって、なんなのだろう。
ちっとも苦しそうじゃなくて、終始楽しくてたまらない感じ。
それがこちらにもひしひしと伝わってきて、
それでいて時折、彼が今ひとりなことが、ものすごくせつなくなる。
そして、生きて歌い続ける伝説は、比類なきものになっていく。
たったひとりなのに、ストーンズの5人でやるライブの存在感を、ひょいと超えちゃった感じだった(自分比です。ストーンズ好きの人、すみません)。
東京ドームのライブ、DVDにならないかしら。日本版があればいいのに!
とにかく、わけのわからない、魔法にかかったみたいな、壮大な3時間だった。


そのせいか。
ストーンズが来日するというのに、ふつうな私がいる。
今まで全部行ったのに。初回なんて真冬に2晩並んだのに。
スポ日の記事を読んでいたら、だんだん醒めてきちゃった。
お家芸の派手なステージで、お金もたくさんかかるのはわかる。
だけど、不良のための不良の音楽だったはずなのに
お金持ちが楽しむばかりのエンタテイメントになっちゃうのが、少々不満なのだ。
狭いライブハウスで窒息しそうになりながら見たいわよ。
と、そんなことでは大御所は見られなくなってしまうから、言ってられませんけどね。

ディランは、ライブハウスで格好よろしかった。会場はディランコスプレのオヤジ多数だったけど。
チケットとれなくて、大阪まで0泊3日だったけど(つまりは往復車中泊)、それでも。

12月はエルビス・コステロが待っている。ワクワク……。

……映画が底抜けに素敵だった、ジョージの
『リヴィング・イン・ザ・マテリアル・ワールド』、やっぱりDVDで買おうかなぁ。

コメント

comments マリ | 2013/12/23 0:14:16

……て、ジョンの命日に。

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