サ神と桜

2013年3月24日 (日)

日本の暦が最初につくられたのは、飛鳥時代の604年だそうです。
案外新しいです。
日本で稲作がいつから始まったかというと
いまのところ、朝寝鼻貝塚(岡山県)で見つかった栽培種の稲の細胞化石、というのが古そうです。
約6000年前、縄文時代後期にあたるとのこと。

暦もなしに、稲をつくるのはたいへんです。いつ、モミを蒔くのか……。
そう。そこで活躍していたのが桜だと思われます。
ウィキペディアをのぞくと、「ムカシヤマザクラ」(素敵な名前!)の化石が見つかっており
日本では少なくとも数百年前から桜が自生していたと推察されています。

暦のない太古の人々は、
桜の花が咲くのを合図に、苗代をつくり、モミをまきはじめたと思われます。
農耕民族にとって、春の訪れ、モミの蒔き時を伝える桜が、いかに大切なものだったかは
容易に想像がつきます。
命をつくる稲作を支える木に咲く花。
桜に神が宿ると思うのはとても自然なことでしょう。
その桜に宿る「神様」は、私たちがよく知る、記紀以前の神様です。

その昔、「サ神」さんと呼ばれる山の神様がいらっしゃり、
そのサ神さんが宿るくら(くら=座、神座=かむくら、といいますよね)が
「さくら」である、といわれます。
サ神さんは、稲作と深い関わりがあるようで、
稲作の大切なことばに、「さ」がつく言葉が多く残っています。
皐月(さつき)はサ神さんに田んぼに降りていただく月。
早乙女(さおとめ)が早苗(さなえ)を植え、田植えに励むのです。
サ神さん信仰の片鱗を垣間見るような気がしませんか。


今日の桜は、サ神さんを思いながら眺めました。
太古の人々も私たちと同じように、桜を特別な思いで眺めていたのかもしれませんね。

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サ神様の話は、西岡秀雄著『なぜ、日本人は桜の下で酒を飲みたくなるのか?』 に詳しいです。
木花咲耶姫命(このはなさくやひめ)は、山の神様の大本締め、大山祇神(おおやまづみのかみ)の娘なんですよね。

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