「桜の樹の下には」

2013年3月20日 (水)

桜にまつわる作品で、2番目に好きなのは
梶井基次郎の「桜の樹の下には」。
 青空文庫より http://www.aozora.gr.jp/cards/000074/files/427_19793.html
 ※短いから3分で読めます。

十代の終わりから二十代前半、梶井基次郎が大好きで、なかでもこれが一番好き。
短編というより、私には散文詩。高校時分に読んで衝撃でした。美しくて。
この透視性にはとても影響を受けたように思います。


夜、人気のないどこまでも続く桜並木を歩くと、妖艶さにぞっとすることがあります。
見上げるとポップコーンみたいにぽんぽん浮かぶ白い花々。
ひそひそとささやき声が聞こえてくるようです。ときどき、うふふふふ、と笑います。


花々の現実離れした美しさと圧倒的な生命力。
その中で人ひとりの存在のなんと小さなこと。
夜中の桜は、この世のものではないように思える瞬間があるのです。

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