さよなら、ムーンライダース

2011年12月17日 (土)

今日は自分の行く最後のライダースのライブになるので(たぶん)、チケットを買って以来なんだか緊張している。
いつもの12月のライブとは違うんだな。
ほんとに最後なのかな。マジで?
大人だから、言ってみただけで、ほとぼりさめたら「なーんちゃって!」なんて戻らないかな。
ぜんぜん構わないのにな。

「物は壊れ人は死ぬ、そういうわけさハニー」とか、「Who's Gonna Die First」?とか、さんざ言われてたから、いちばんお別れが近いバンドのような気もしていた。
でももう、好きになって26年になる。メンバーも変わらなかった。
わたしの部屋の上に住んでいた仲良しの女の子が、彼氏に触発されて聴いていたのを耳にして、大好きになった。二十歳だった(その彼氏のバンドが「ソフト]といって、ライダースの前座をやったと思う)。
最初は、当時の新譜の「DON'T TRUST OVER THIRTY 」だったな。
ムーンライダースが解散する。ほんとに? まだ信じられない。言うてるだけちゃうのん?

わたしのからだの五分の一くらいは、ムーンライダースの音楽でできている。
いちばん泣いた音楽はなんだろうと振り返ると、圧倒的にムーンライダースだ。
スタイリッシュだし、都会的だと思うけれど、
それ以上にわたしにとっては心の芯に触れてくる曲だった。
なんど号泣したか。そしてそのまま何度眠られなくなったか。朝、目を腫らせて困ったことか。
そしてひとりで部屋の中、いちばん踊ったのもムーンライダース。

たくさん教えてくれた。人を好きになることのどうしようもなさや、せつなさ、
時の流れの非情といとおしさ、
うつろいゆくものの美しさ、大人になる子ども、年を取るということ、
思いと食い違う外側だとか、死にゆくものの思い、喪失感、消えてしまいたい気持ち、覚悟、覚醒、トリップ、そんなの、みんなみんな、
青い悩みや悲しみは、すっぽりムーンライダースの音楽に入ってしまう。
ムーンライダースの曲越しに、父を思いやることができた。
そして、こんなにヒリヒリの人たちがわたしより年を重ねているのだから、
わたしだってきっと生きていけるに違いない。この人たちが生きているなら、絶対!
そんなふうにも思っていた。
わたしの、前に進む力だったな。そしてすっぽり包み込んでくれる包容力とやさしさ。
最終的には全肯定なところも大好きだった。大げさでなく、生きる力だった一時期もある。

新譜はきちんと対峙しないと聴けないからと
2枚、封を切っていない新譜が飾ったままだ(おいおい)。
できれば死ぬまでこのまま飾っておきたい気分だよ。

永遠に最高にクールなバンド。わたしのなりたい大人たち。
ありがと、ムーンライダース。またね。

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