労働時間と職人とニュートンと

2009年9月 6日 (日)

kmタクシーの事業取り消し 運転手過労の対策不足

 

運転手の過労への対策不足が発覚した国際自動車(東京都港区)について、国土交通省関東運輸局は2日午前、事業許可を取り消した。大手タクシーの許可取り消しは初めて。同社のタクシー321台とハイヤー589台は12日から営業できなくなり、2年間は許可の再申請もできない。
関東運輸局の0
準(80点)に達した。……/2009年9月2日(水) asahi.com

タクシーの運転手さんて、会社によって労働はまちまちで
過酷なところはほんとうに過酷だ。
それがイヤで独立したくとも、
8年だかの会社勤めを続けなければ、個人タクシーとしての独立はできないらしい。

大手タクシー会社で事業許可取り消しなんて聞いたことがないから(「初めて」って書いてあるけど)、
その晩乗ったタクシーでドライバーに水を向けてみたら
「だってkmさん、ほんとうに運転粗かったもん」とぴしゃっと返ってきた。
へぇ。知らなかった。何度も乗ってたけどな。
そのドライバー氏曰く、
「kmの運転手と勤務状況の話をしたことがある。
“そのとおりやってたら、ぜんぜんノルマは稼げない”って返ってきた。意識が低いと思った」そうだ。
ドライバー氏の所属するタクシー会社は、ドライバーの「働き過ぎ」に関する意識が高いらしい。
労働時間は会社がしっかり把握をし、超過が重なると「休め」と勧告され、強制的に休暇を取らされる。
「ノルマがどうこう以前に、人を乗せるという商売柄、安全配慮という面では、適切な休暇をとりながら働くのが大切なのではないか」
という、現場で聞いているとは思えないほどの模範解答がきて驚いた。
「能率とか、売り上げとか、そういうこと以前に、働く人の立場を会社がちゃんと考えることも大切なこと。現代はそんなご時世です」という言葉に深く納得した次第。
そして、我が身を振り返り、反省もする次第。

職人の世界では、労働時間が云々なんて言っている場合じゃないだろう。
しかしそれがギルドになった瞬間に、その問題は飛び出してくる。
団体、共同体になった瞬間に、仕事というよりも労働。
労働になると、使役の関係が生まれるわけで、
労働者の権利を守るべく、時間の観念が現れる。
「納得いくまで仕事する」のは、ギルドである以上は認められないわけ。

というわけで、出勤・退出、社外労働時間をつけましょう運動を、社内で開始した。
社長はやってない。あたりまえだけど。
わたしはものの試しにやってみている。
しかし。24時間仕事でなければ、職人はなりたたんだろう……と思う。
頭のなかにいつもあるからこそ、いいものができる。
職人がそうなら、物書きもそうだし、編集者だってものつくる人なのだからそうでしょう。

でも、会社ではだめなのよ。だから社の諸君は別だよ。
ちゃんとお休みなさい。
そしてできることなら、会社ととして、ちゃんとしたところでありたいと思う。
だからどうぞ、
配慮の足りない上司をサポートすべく、どうか自ら休暇の申請をしてくれたまえ。
それが集合体ということです。
もしかすると君たちが、新時代の職人スタイルを確立してくれるかもしれない。


さっ。勤務時間をつけてみましょうね。

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ひと晩、このことを考えていた。
「24時間仕事」っていうのは、当然のことながら、机に貼り付いているわけではない。
本当の仕事というのは、タイムカードとは無関係のところにある。

頭のなかにずっとあるなにかに対して、別の情報がインプットされたときに
思わぬアウトプットとして素敵なアイデアが飛び出すことがある。
なんだってそうじゃないかな。
ニュートンがリンゴの落ちるのを見て、引力を発見したのと一緒だと思う。
机に貼り付いているだけでは、こうはいかない。
視点を変えたときに、発見がある。たぶん。

「職人」という言葉を使ったけれども、なにも限ったことではなかろう。
ポジティブに、「責め」で仕事をする人に、おしなべていえることだと思った。
そういう意味で、机に(持ち場に)貼り付いてちゃいけないのかもしれないな。
ヒントはいろんなところに満ちあふれてる。
どう掬い取るかということだ。
この話は、「いろんな視点をもつ」ということにつながっていくのだけど
それはまたアザーサイド……「のんちゃん」で、あらためて。

 



 

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