それが事実であるがゆえに、ニュースは最高におもしろい。
そこからドラマを読み取るのは、あなたなのかもしれません。
都議介入『不当な支配』 性教育授業 七生養護学校訴訟 地裁が賠償命令
東京都立七生(ななお)養護学校(日野市、現・七生特別支援学校)の元教師ら三十一人が、性教育の授業や
/東京新聞 TOKYO Web 2009年3月13日(金)
3年ほどこの裁判を自分なりに追ってきた。
勝訴になって本当によかった。
取材で“人間と性”教育研究所のT所長にお話を伺ったことがあり、
そのときに所長から初めてこの裁判の話を知った。
「スージィとフレッド」というアメリカ製だかの性教育用の人形がある。
きちんとお洋服を着ているのだが、脱がせると、性器がついている(射精はできたかな? 忘れた)。
素朴な感じのする布製の人形でなかなか愛らしく、家族が揃っていて、
子どもたち、お父さん・お母さん、たしかおじいちゃん・おばあちゃんまでいて、
性の違いはもちろん、年齢と性徴についても学べるような、よくできたものだった。
七生養護学校では性教育にこれを使っていて、視察に訪れた都議から
「行き過ぎた性教育」として、これらの教材を取り上げられ、非難されたという話。
そこに産経新聞が絡んじゃって余計手に負えなくなるのだ。
「過激な性教育だ。しかも“自慰は恥ずかしいことじゃない”と教わった男子生徒が教室で自慰をして、“だって恥ずかしいことじゃないって教わった”と言ったの言わないの……」
というのが都議側の言い分。
馬鹿おっしゃい、と言いたくなる内容だった。
教室で自慰をした、そこからさらに修正したり教えたりするのが性教育なんじゃないのか?
思春期の子どもに、養護学校だから自慰や射精を教えないって、おかしい。
別に過激でもなんでもなくて、性って誰かに教わらないといけないことじゃないのか。
正しい知識を教わる権利も義務もあるんじゃないのか……という憤り。
とにもかくにも、七生養護学校側が勝訴でよかった。
“人間と性”教育研究所に絡んで、マイノリティの性についてのセミナーに出席したことがある。
同性愛はもちろん、身障者の性、老人の性についてのディスカッションがあった。
同性愛は、マイノリティというには周囲に多すぎて、わたしにとっては日常だ。
同じように、老人の性も早く日常になってほしいと願う。
老人の性を、ないがしろにされているのを見ると悲しくなる。
汚いもの呼ばわりされるとつらくなる。
90歳のスキンシップのなにが悪い。老いらくの恋のなにが悪い。
みんな今のまま歳をとるんだぞ、見た目だけが年とってるだけだぞと、声を大にして言いたくなる。
唐十郎は「少女とばばあは紙一重」と言ったっけ。
と、大きく話はそれたけども。
性教育って、大事だと思う。
ちなみにわたしは小学校4年生のとき、学校で友達から初めて性交について聞かされた。
正確には「まりちゃんは、おとうさんの○○をおかあさんの××に入れて生まれたんだよ」
と聞かされて、それはショックで、
うちに帰ってから母に、
「本当なの? わたしは、おとうさんの○○をおかあさんの××に入れて生まれたの?」と、半泣きで尋ねた。
母はきっぱり、「いいえ、あなたは違います」と言った。シビレルなぁ。
◎東京地裁判決についての声明
http://www.news-pj.net/npj/pdf/2009/nanao-seimei_200903.pdf
この記事へのコメントは終了しました。
コメント
"スージィとフレッド"へのコメントはまだありません。