それが事実であるがゆえに、ニュースは最高におもしろい。
そこからドラマを読み取るのは、あなたなのかもしれません。
ペット治療ミス、賠償金高額化 裁判所「強い愛情」認定
/2009年1月11日(日) asahi.com
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二親等が亡くなったときには1週間の公休が認められるのに、
最愛の猫が死んでも、小鳥が死んでも、ただの1日の公休も許されないのか、とは、よく不条理に思ったものだ。
事務所で飼ってたピー助(セキセイインコ)が死んだときは、事務所でお葬式したっけ。
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死んでしまう場合だけじゃなくて、
猫が出産するときは会社休んで手伝いたいし(いや、実際は休んだ。飼い猫のタンゴが初産を控えたある日「今日は仕事に行くな、心細いから」というので、「ほんとうに今日産む?」と聞いたら、「もうすぐだから」と言うので、仮病を使って仕事を休んだ。3時間後にタンゴは仔猫を4匹出産した。
病気のときはそばにいてあげたいと思うし、
飼い主・ペットの関係を通り越して、一緒に暮らしている動物は、ときに人生のパートナーでもある。まさしく「かけがえのない存在」。
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タンゴの話をもう少し(名前の通り、黒猫だった。中之島公園の側溝に捨てられていたのを、拾った友人からそのままもらった)。
わたしが仕事から帰ると、決まって彼女は迎えに来るのだが、
その日に限って「お迎え」がこない。
お出かけかなぁと思って部屋に入って灯りをつけたら、部屋の真ん中でタンゴがうずくまっていた。
「どうした?」と聞いても、なにも言わずに、うずくまっている。
これは一大事だと思って、すぐに動物病院に連れて行った。
すると「風邪ですねー」と言われて、薬を処方され、「?」と思いつつも、まあ見てもらったことだし、と家に帰ってきた。
ところが、帰宅してもタンゴは歩かずうずくまっている。
好物の猫缶を出しても微動だにしないのを見て、こちらが動転した。
ふたたび動物病院に電話。
「さっき見てもらったけど、風邪のワケがない。様子がほんとうにへんだから、もう一度連れて行くから、ちゃんと診てほしい」
ふたたび同じ動物病院で診察を受けた。今度は違う先生が慎重に診てくれた。
レントゲンを撮ったときに、驚くべき事実が発覚。
「肋骨が折れて肺に刺さっている。すぐに緊急手術だ」
交通事故なんかじゃなくて、おそらくバッドみたいなもので殴られたと思う、と先生。
黒猫であるばかりに、いじめられることも多かったのかもしれない(当時は外に出していたし)。泣けてきた。
とにもかくにも、本当の病名がわかって、しかるべき治療を受けて(しかしそのひと月前に避妊手術を受けていたタンゴは、2度連続して開腹手術を受けることになってしまった)、
入院二週間。
治療費は当時10万円くらいかかって、この高額ぶりにも泣けたのだが
会社の先輩が「タンゴのお見舞い」と言って、多額の治療費をカンパしてくださった。
あのときのありがたさは今も忘れない(マイミクのルーラさんだ)。
タンゴはその後13年生きて天寿を全うし、一昨年の春に逝った。
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しかし、あの初回の誤診のまま放っておいたら、確実に死んでいたと思うとぞっとする。
あの病院は、ホームドクターだったけど、それも探しに探してようやく見つけた、信頼できる「いい動物病院」だった。
そういうところでも、治療ミスは起きるわけで。
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それにしてもいい動物病院を探すのって、ほんとうに難しい。
助かる命も、病院の選択ひとつで助からなくなってしまったことが、何度かあった。
治療ミスが死を招く(医療ミスとはいわないんだな)なんて、慰謝料ではすまされない。
でも、お金が、寂しい気持ちの足しになることだってあるかもしれない。理解できる。
最愛の人が死んで、生命保険がたんと下りたときの感じと変わらないかもね。
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