それが事実であるがゆえに、ニュースは最高におもしろい。
そこからドラマを読み取るのは、あなたなのかもしれません。
〈モカ〉消えるかも 輸入ストップ、在庫わずか
/2008年7月20日(日)毎日jp
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消えるかも。モナじゃありませんから。モカですから。
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ブルマンがどんなにおいしくたって、
喫茶店でオーダーするコーヒーは、モカじゃなけければならない。
小学校の三年生か四年生の頃、『りぼん』の田渕由美子のマンガのなかで
素敵な男の子(大学生)が「オレ、モカね」というシーンがあった。
以来、コーヒーはモカ。
大きくなったら、喫茶店で「モカ」とオーダーする大人になると決めていた。
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で、お約束通り、そういう大人になった。
本日のコーヒーが「マンダリン」だったりするとちょっとそそられて、つい「マンダリン」と言ってしまうこともある。
(マンダリンはバランスよくて、おいしいです)
シアトルコーヒーで「本日、グァテマラ」と書いてあると飛びつくけれども(シアトルに、モカはあまりない)
基本、喫茶店では「モカ」だ。
自分で買うときも、豆はモカが基本(たまに浮気)。
あの酸味こそ、コーヒーの最高峰だと思っている節がある。
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高校生のときは、行きつけの喫茶店で、ノーシュガーで飲む努力をした。ホットは……ムリだった。
あのときは知らなかったけれど、今思うと、その喫茶店のコーヒーは、かなりマズかった。
まとめ淹れしてて、最後のほうは煮立ってた(それがマズいということを、当時は知るよしもなかった)。
アイスコーヒー(関西ではレーコーと言う)をブラックで。これはいけた(その喫茶店では、アイスは既製品だった)。
大人の階段を登るべく、小さな努力をしていたわけだ。
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ほんとうはそんなに好きになれなかったコーヒーが大好きになったのは、大学生になってからだ。
寮のセンパイに、ペーパードリップの淹れたてのコーヒーを飲ませてもらったら、目から鱗。
それから、手動のミルでカリカリやった豆で淹れるコーヒーのおいしいこと。
いつも、豆はモカだった。
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もはや、コーヒーにはちょっとうるさい。
コーヒー専門店なら、自家焙煎、一杯だて、ネルドリップ、というのが、おいしいコーヒーの条件だ。
ここまでに至ったのは、かつてカタログハウスで出した
『私の愛する喫茶店(関西版)』という書籍の編集をしたせいで、
ほんとうにいい喫茶店を探すべく、おいしいと聞けば足でまわり、目と舌で確かめた。
コーヒー好きのマスターたちと、たくさんお話をした。
コーヒーというのは極めればきりがなく、多分男性的なアイテムでもあるのだろう。
「き」がつくほどこだわりまくる方もいて、それはおもしろかった。
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一日十杯近くの、挽きたて・淹れたて(多くは焙煎したてでもある)のコーヒーを日々飲んでいるマスターたちは
決まってお肌ツヤツヤ。そしてすこぶる元気がいい。
世の中にはまだ「コーヒーは胃に悪い」「からだによろしくない」という常識(迷信)が跋扈していたけれど、
絶対にそれは間違っているはずだと、確信したのもこの頃だった。
でなければ、マスターたちの肌が、あないキレイなわけがない。
つまり、酸化した豆で淹れるコーヒーや、煮立ったヤツに害はあるにしても、
焙煎したて、挽きたて、淹れたてのコーヒーは、クスリにこそなれ、
毒であるわけがないという結論。論より証拠だ。
だって「豆」ですよ。豆の栄養の完璧なことは、あらためて書くまでもなく。
おそらく、そしてあの黒だ。ポリフェノールはもちろん含まれているわけで。
すでに、コーヒーの栄養については、さまざまなメディアが取り上げはじめたので、濡れ衣もずいぶん晴れたのかな。
最近では、コーヒーの栄養についても触れられることが多い。
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なんて、コーヒー四方山話は尽きない。
ちなみに、うちの事務所では、社長がコーヒーマスター。
昼食後には飲みたい人全員分を、豆を挽いて、ペーパードリップで、
ていねいに淹れてくれる。
そのコーヒーのおいしいことといったら。
そこいらの喫茶店のコーヒーを、はるかにしのいでいる。
社長に、感謝。
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それでやっぱりわたしは、酸っぱいモカが飲みたいです。
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